BJI ブログ

ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

No.219 夏休み。子供は昆虫採取。大人は虫モチーフのジュエリーがおしゃれのポイント

BJI ブログ No.219

ジュエリーには、昆虫をモチーフにしたものが多く見られます。モチーフそれぞれに意味が込められています。

虫は苦手でもジュエリーモチーフでステキなもの、愛らしいデザインがあれば、ちょっと食指が動いてしまいそう。

たとえば「トンボ」。日本では古くから愛されてきたモチーフです。前へ前へと進み後退しないことから、戦国時代の武将たちの中で一大ブームとなり、鎧や兜などさまざまな武具や装束にトンボモチーフを取り入れていました。前田利家のものと伝わる兜の前立ての部分には、大胆に羽を広げたトンボがあしらわれています。

ヨーロッパでトンボモチーフが登場するのは、19世紀に入りアール・ヌーヴォーの時代からです。それまでは、「不吉な虫」として忌み嫌われていたとか。

今では素敵なトンボモチーフのジュエリーがたくさん見られますね。

次にあげたいのが「蝶」。サナギから成虫(蝶)へと美しく姿を変えることから「美」や「成長」を意味するとか。また美しく舞い上がっていくことから、キリスト教、仏教ともに不老不死の象徴とされてきました。着物の柄にもよく描かれていますし、花とともに華やかな世界を創り出してくれます。

欧米で昆虫モチーフの中で一番人気なのが、「ミツバチ」。古代ギリシア時代から縁起ものとして好まれてきました。ミツバチはせっせと花の蜜を集め、それを加工してはちみつを作ります。その姿が真面目に働くことで成功するという暗示を表しています。また子孫繁栄や豊穣を意味し、かのナポレオンにも愛されました。それは肖像画「戴冠式のローブを着たナポレオン」のローブに多くの蜂が描かれていることからもうなずけます。

「テントウムシ」もよく見られるモチーフ。あの形、赤と黒のコントラストは、小さめのブローチやピアスがとても愛らしくて、思わず手に取ってみたくなってしまいます。日本では、おてんとうさま(太陽)の使いとしてとらえ、そこからこの名前が付けられたと言われています。ヨーロッパでは昔からテントウムシが体に止まると幸せが訪れるという言い伝えがあり、結婚式などでもよく使われるモチーフですね。最近ではヴァン クリーフ&アーペルが発表したテントウムのジュエリーがとってもキュート。

昆虫の中でもちょっと異色なのが、「スカラベ(タマオシコガネまたはフンコロガシ)」。

古代エジプトでは動物の糞を玉状にして転がしながら運ぶその様子から、玉の部分を太陽に、スカラベを太陽の神に見立て崇拝してきました(日本ではちょっと考えられない発想ですね)。再生や豊穣をもたらすと言われ、ヨーロッパではナポレオンのエジプト征服以降、ジュエリーが作られるようになりました。1922年ツタンカーメンの墓が発見され、さらにその人気が高まりました。

2023年6月2~5日開催のJCKラスベガスショーでもスタイリッシュで美しい昆虫モチーフジュエリーが多数紹介されていましたが、中でも気になったのがこのスカラベをモチーフにしたリング。オランダのジュエリーデザイナー、ビビ・ヴァン・デル・ヴェルデンの手によって、極上のアート作品へと昇華。コガネムシらしいつややかな光沢、玉に当たる部分がリングになっているという発想がすごい!

アメリカでブライダルリングのブランドとして知られるサイモン G.は、ミツバチと花をあしらったイヤーカフを発表。こちらも気になります。

こうして見ていると昆虫モチーフのジュエリーも日々進化しています。「今」を感じる昆虫モチーフを身に着けて、「運気をあげる!」というのもありですね。

画像出展元 : simongjewelry.com

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イタリアの有名アクセサリーブランド「ミシス」のネックレス。イエローゴールドカラーにグリーンキャッツアイの対比が新鮮。ジュエリーの技術を生かしたバタフライとレースのモチーフを添えた凝ったデザイン。
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