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2023年12月4日ニューヨークのオークションハウス、ボナムズで、シャネルの「マルタ十字のカフス」と呼ばれるデザインのバングルの1つがオークションにかけられます。

デザインは、イタリアのシチリア出身の貴族、フルコ・ディ・ヴェルドゥラ公爵によるもの。彼は、1925年にココ・シャネルと出会い、1927年テキスタイルデザイナーとして彼女のもとで働き始めました。その後シャネルが元恋人であるロシアのドミトリ大公やウェストミンスター公爵などさまざまな恋人たちから受け取った高級ジュエリーコレクションのリメイクを経て、シャネルのジュエリーのデザインを担当。その関係は、彼が1934年渡米するまで続きました。

彼が制作したジュエリーの中でもこの「マルタ十字のカフス」は人気を博し、当時の『ハーパーズ・バザー』誌は「あらゆる服装に適したアクセサリー」と絶賛し、ヴェルドゥラのブランドの代表作ともなりました。

1930年頃、最初のカフスが制作されて以来、彼はオリジナルの作品にさまざまなバリエーションを加えていきました。デザインの芸術的なエスプリはそのままに、素材はより洗練されていったのです。

今回出品されたカフスは、アイボリー色のエナメルが施されたシルバー枠をベースに、クロスデザインのセンターにはシュガーローフカットのアメシスト、その4つの角にはカボションカットのエメラルド、周囲にはラウンドカットやオーバルカットのダイヤモンド、ルビー、サファイアがちりばめられています。

このバングルを所有していたのは、1905年少女役として舞台デビューし、1980年代半ばまでテレビに出演していたアメリカの女優、ヘレン・ヘイズ。複数のオスカー賞とトニー賞を受賞した輝かしい実績を持つ彼女が1993年他界した後は家族が保管し、今回が初のオークション出品となります。

バングルの状態は非常によく、12万5,000ドルから22万5,000ドル（1870万～3365万円）で落札されると予想されています。

長年にわたり、数多くのセレブが愛用しているヴェルドゥラのバングル。ニューヨーク5番街にあるヴェルドゥ ラブティックのオープン75周年の展示会には、サラ・ジェシカ・パーカー、ブルック・シールズ、ウーピー・ゴールドバーグ、ソフィア・コッポラなどを含む多くの人たちが私物をプレゼンテーションとして貸し出しました。

特にコッポラはカジュアル、フォーマルを問わず数々のイベントで最も頻繁にカフスを着用しているのが目撃されています。彼女が2006年に『ヴァニティ・フェア』誌のベストドレッサーのリストに選ばれた際に、「ヴェルドゥラのオニキスのカフスがお気に入り」と語ったそうです。

TOP画像出展 : www.bonhams.com

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