Written by Machida Akemi

奥⼊瀬(おいらせ)渓流沿いに建つ唯⼀のリゾートホテル「星野リゾート 奥⼊瀬渓流ホテル」では、2024

年4⽉22⽇〜5⽉31⽇の平⽇限定で、きらめく新緑の絶景を眺めながら、渓流沿いでランチを楽しむ「渓

流新緑ランチ」を実施します

雑誌『ザ・ニューヨーカー』などの表紙を飾る

フェロンは1955年にパリに移住し、ドローイングに明け暮れる日々でしたが、フランスでは芽が出ず、アメリカの雑誌社『エスクァイア』『ザ・ニューヨーカー』『タイム』に作品を送ります。のちにそれらの表紙を飾るようになり、ミラノ・トリエンナーレ(1968年)のフランス館では壁画を依頼され、ヴェネツィア・ビエンナーレ(1970年)やサンパウロ・ビエンナーレ(1973年)にベルギー代表として参加するなど、世界各国で目覚ましい活躍を見せます。

本展のタイトルは、フォロンが制作し実際に使っていた名刺「FORON: AGENCE DE VOYAGE IMAGINAIRE」(フォロン:空想旅行エージェンシー)が着想源。本展では、フォロンの初期のドローイングから水彩画、版画、ポスター、そして晩年の立体作品までを含めた約230点を紹介します。日本では30年ぶりの大回顧展です。

左：《見知らぬ人》1991年　フォロン財団 ©Fondation Folon, ADAGP/Paris, 2024-2025
右：《いつもとちがう（雑誌『ザ・ニューヨーカー』表紙 原画》1976年　フォロン財団 ©Fondation Folon, ADAGP/Paris, 2024-2025

色彩の魔術師

フォロンの作品の最大の魅力は、美しい色彩にあります。ブルーやイエローなど、1点の作品に使われる色彩は決して多くはないのですが、限られた色彩を巧みに組み合わせ、グラデーションや滲みを駆使し、奇跡のような美しい世界を生み出しています。

メルヘンチックな作品ですが、油断は禁物。よく見ると環境破壊や人権問題などへの告発が潜んでいます。優しい色使いとは裏腹に、静かな怒りや現実の厳しさが隠されているかもしれません。パンデミックや戦争、環境問題など大きな転換期にある今だからこそ、フォロンの作品が見直されています。

フォロンは企業や公共団体からの依頼で手掛けた600以上ものポスターも絵画作品と同じように大切にしていました。本展ではそうしたポスターや、アムネスティ・インターナショナルの依頼から制作した『世界人権宣言』挿絵原画なども展示されます。

見る人が自由に解釈して、絵と対話することを望んでいたというフォロン。なぜこの絵を描いたのか？　考えてみるのもいいかもしれません。

東京ステーションギャラリー

空想旅行案内人 ジャン＝ミッシェル・フォロン
会場 : 東京ステーションギャラリー(東京都千代田区丸の内1-9-1)
会期 : 2024年7月13日(土)～9月23日(月) 　
休館日 : 月曜日(ただし7月15日、8月12日、9月16日、9月23日は開館)、7月16日(火)
開館時間 : 10:00～18:00(金曜日は20時閉館)
※入館は閉館30分前まで
入館料：一般 1,500円(1,300円)、高校・大学生 1,300円(1,100円)、中学生以下 無料
(　 )内は前売料金(6月1日～7月12日オンラインチケットにて販売)

詳しくは公式ホームページをご確認ください。
https://www.ejrcf.or.jp/gallery/
お問い合わせ　TEL 03-3212-2485(東京ステーションギャラリー)

巡回情報
2025年1月11日(土)～3月23日(日)名古屋市美術館
2025年4月5日(土)～6月22日(日)あべのハルカス美術館（大阪）

トップ画像：《無題》1983年頃　フォロン財団 ©Fondation Folon, ADAGP/Paris, 2024-2025

---

＊当サイトの情報・画像を転載、複製、改変等は禁止します