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Made in Japan の手技


現代のジュエリーはグローバルな流行に合わせて、国独特の味わいが薄らいでいますが、それでもよく見ると生産国の歴史を垣間見られる特徴があります。日本のジュエリーの魅力はどこにあるのでしょうか。探ってみました。

細工の力

 ダイヤモンドといえば、通常4C(カラット、カラー、クラリティ、カット)について語られます。グレードの評価が高いほうが良いに決まっていますが、その美しいダイヤモンドを生かすも殺すも細工しだいです。華奢な貴金属のラインに沿ってダイヤモンドを、均等にセッティングするのは並大抵な技術ではできないこと。着けた時、光を受けて輝くには正しく留められていないといけません。日本の職人によるセッティングは細かい部分に配慮があります。

バケットカットダイヤモンド(合計12.35ct)をテニスブレスレットのようにセッティングしたネックレス。(長さ約41cm)K18YG・ダイヤモンド。センターにエメラルドカット(1.52ct)のダイヤモンドが輝くブローチ。(和光)

素材の力

 日本人は非常に素材を重視します。カラーやクラリティのグレードが落ちてもカラットを優先する人たちが多い国もありますが、日本人は小粒でも最高品質を好みます。理由はなぜでしょうか。海に囲まれ、移り変わる四季によって、日本人は古来、細やかな感性が磨かれてきたのです。茶を入れる所作、立ち居振る舞いなど、生活のすべてに設けられたルールは、堅苦しいかもしれませんが、一流のものを見る目を養っているのです。ジュエリーの品質にも現れています。

パールとダイヤモンドの組み合わせが美しいリング。Pt・南洋真珠・ダイヤモンド。
リング(ウエダジュエラー帝国ホテル店)

発想の力

 ジュエリーのデザインにはそれが作られた国のさまざまな物事が透けて見えます。花モチーフひとつとっても、花の種類、花びらの形など表現方法が違います。フランスのジュエリーが、フランスのソワレに使用される布、施されている刺繍などにヒントを得たりするように、日本のデザインは、どこか着物の柄と共通するところが感じられないでしょうか。あでやかさの中に奥ゆかしさが見え隠れし、これみよがしでないのが日本の美なのです。

滴を表した「朝露」シリーズより。K18WG・ルベライト・スピネル・ダイヤモンド。リング(OKURADO)

TOP画像 : 歴史あるブランドが作り続けているクラシックなデザインのネックレス。Pt・白蝶真珠・ダイヤモンド。15mm以上ある大粒真珠のリング。Pt・白蝶真珠・ダイヤモンド(ミキモト)

ikeda tatsuji

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