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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

NO.358 3年以内に500人以上の雇用を発表したイタリアの老舗ジュエラー、ブチェラッティの展開

未来を見据えたジュエリー企業の戦略。伝統技術を継承するための人材育成に本気で取りかかりました。

1919年創業のミラノの老舗ジュエラー、ブチェラッティ。その卓越した技術により、初代のマリオは「金細工の魔術師」として、瞬く間に世界中に名を馳せることになります。リネン、チュール、レースなど上質な布地を金のプレートで再現する技法は、ブチェラッティが生み出したものといわれます。

優れた職人たちによる蜂の巣状の透かし模様を施したハニカムモチーフや、細やかなエングレービングによる柔らかな金属の輝きも、よく知られるブチェラッティの特色です。

マリオから息子ジャン・マリア、3代目のアンドレア、4代目ルクレッツィアへと引き継がれたブチェラッティは、2019年リシュモンの傘下となり、2021年9月東京・銀座に日本初のブチェラッティ旗艦店をオープンしました。

2024年12月、ブチェラッティは今後3年間で、7つの工房で500人以上の従業員を増やす計画を発表しました。現在、同社のジュエリー製造工房はイタリアのミラノ、コモ、ヴァレンツァを拠点としています。さらに銀細工工房はボローニャに、時計製造工房はスイスにあります。

「工房の拡張し、金細工職人を目指す若手を採用します。彼らにとっても、ルネサンス期のフィレンツェやヴェニスの工房に原点を持つ美しい宝飾技術を習得できる機会となります」とブチェラッティ社は語ります。

ミラノの工房の拡張と、ヴァレンツァにある2つの工房を買収し、50人以上の職人を雇用する予定。コモでは新しい工房を建設し、100人以上の職人を雇用。 この工房は「マクリ」コレクションに代表されるインチーゾと呼ばれる極細の線を彫り込む作業が行われている場所です。

ボローニャの銀細工工房では30名を、スイスの時計製造工房では50人以上の時計職人、彫刻師、セッターなどの雇用を予定。どちらも施設をよりグレートアップさせ、さらなる高みを目指します。

この計画は、実はすでに以前からスタートしています。ブチェラッティは、2022年以来、ミラノにあるアンブロジアナ金細工専門学校(Scuola Orafa Ambrosiana)を支援し、いくつかの彫金コースと提携しています。

同校では現在、金細工芸術修士課程の5期生を指導中。コースの卒業生には、ブチェラッティの工房で働いている人もいます。学校で学んだ後、さらに企業で腕を磨くことで、優れた職人へと導かれていくというプロセスは、金細工の産業にも大きな影響を与えていくことになります。

スピード感を求められる昨今ですが、企業が成長していくため、そして伝統技術を守るためには、将来を見据え、じっくりと時間をかけて人を育てていくことが大切であることを感じさせます。

画像出展 : professionaljeweller.com


バロックパールが蜂が止まっている様子を描いた大人可愛いネックレス。上品だけどポップな雰囲気もあるデザイン。蜂は幸運をもたらし、強運になる、災害を防ぐなど意味し、日本でも海外でも人気のモチーフです。スペイン製
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ハートシェイプのパパラチヤサファイアを中心に、両脇にダイヤモンドとピンクサファイアをセットしたフェミニンなデザイン。パパラチヤサファイアは0.4カラットもあり、鮮明なピンク色を楽しめます。
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