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16世紀に発見されたペアシェイプのパール「ラ・ペレグリーナ」の物語

16世紀のスペイン王からイングランド女王へ、そして20世紀の大女優の身を飾った天然真珠。

Written by Brand Jewelry

往年のハリウッドの大女優、エリザベス・テイラーは、大の宝石好きとしても知られ、レッドカーペットでもブランドからの貸し出しを断り、いつも自前のクチュールドレスと愛用のジュエリーを身につけていたとか。彼女が所有していたジュエリーの中には、かつてスペイン王室が所有していた ラ・ペレグリーナ (スペイン語で「巡礼者」または「放浪者」の意) という名の大粒のペアシェイプのパールもありました。*因みにこの時代のパールはすべて天然です。養殖真珠の技術は発明されていません。

16世紀に発見されたこのパールは、パナマ湾から戻ってきた探検家がスペインのフェリペ2世に献上。フェリペ2世は、そのパールをペンダントトップにしたネックレスを後に妻となるイギリスのメアリー1世に贈りました。

メアリー1世はそのパールを非常に気に入っていたようで、身につけた肖像画が多く残っています。

1558年メアリーの死後、そのパールはスペインに戻り、巨匠ベラスケスによってスペイン王家の肖像画の中に描かれました。

その間に、このパールは「呪われたパール」と呼ばれるようになります。なぜなら、これを身につけた人たちは皆、結婚生活がうまくいかなかったためです。

その後、パールは行方不明となり、表舞台に再び現れたのは100年以上経った1813年頃です。

1808年ナポレオン・ボナパルトがスペインを侵攻し、ナポレオンの兄ジョセフが5年間スペインを統治し、その後廃位。その際、彼はスペインの王室の宝石をいくつかと、ラ・ペレグリーナをフランスに持ち帰ります。「ラ・ペレグリーナ」という名前は、その時ナポレオンが命名したといわれています。

ナポレオン3世の相続、彼の失脚を経て、パールはイギリスの貴族アバコーン公爵に売却され、公爵家で、100年以上もの間保管されました。

その間、パールがあまりにも大きいため、金具から外れてなくなってしまうことがしばしば起こりました。ある時はバッキンガム宮殿の舞踏会の最中、ある時はウィンザー城のソファで。そこにいた人たちが血まなこになって探したという逸話が残っています。

時代は20世紀へ。ラ・ペレグリーナは、1969年アバコーン公の子孫がサザビーズでオークションに出品し、俳優のリチャード・バートンが妻のエリザベス・テイラーへのバレンタインギフトとして購入。それから数カ月後、またパールが紛失してしまいます。しかし、テイラーはすぐにそれを彼女が飼っていたペキニーズの子犬の口の中に見つけました。

「何気なく子犬の口を開けてみたら、中に世界で最も完璧な真珠が入っていたのよ」と、後日、彼女はそう語っています。

テイラーは夫のバートン主演映画「1000日のアン」(1969年)において、クレジットなしのカメオ出演をしていますが、その胸元にはラ・ペレグリーナが輝いています。

テイラーはラ・ペレグリーナをトップに据え、ダイヤモンド、パール、ルビーをプラスしたゴージャスなネックレスをカルティエにオーダーします。

ネックレスは、エリザベスがこの世を去った2011年、クリスティーズのオークションで、1180万ドル(当時約9億2000万円)で落札されました。買い手は匿名で個人所有となっています。

今までの歴史を見ていくと、次に登場するのは、また100年以上先のことになるかもしれません。

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