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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

NO.374 「ダイヤモンドの谷」伝説。アレキサンダー大王やシンドバッドも登場した物語

4月の誕生石、ダイヤモンドにまつわる冒険物語を抜粋して紹介します。

4月の誕生石といえば、ダイヤモンド。現在ダイヤモンドが採掘されている産地は、オーストラリア、アフリカ、カナダ、ロシアなど世界各地に点在していますが、最も古い産地はインドです。

ある歴史家によれば、インドでは早くも紀元前4世紀頃からダイヤモンド取引を行っていたそうです。当時からすでにダイヤモンドは「宝石の王様」として認知され、上質なものは王室に奉納され、国家の貴重な財源になっていました。その後インド人たちはダイヤモンドをヨーロッパに持ち込み、紀元前3世紀頃にはヨーロッパ市場でも高く評価されるようになります。

紀元前3世紀以前に書かれた『旧約聖書』における「出エジプト記」の中に記された、「さばきの胸当て」にもダイヤモンドが登場します。「さばきの胸当て」とは、ヘブライ人の高僧が身につけた胴着で、金糸で織られた四角い布に金の台をつけ、そこに12の宝石がはめこまれ、その1つがダイヤモンドだったといわれています。

そんなはるか昔から人を魅了していたダイヤモンドは、数々の伝説も生み出してきました。

中でも「ダイヤモンドの谷」伝説は豊富なことで知られています。紀元前6~紀元前3世紀スキタイが支配していた黒海近くの砂漠には、高い岩山がそびえていました。その岩山に囲まれた深い谷底には宝石があり、近隣諸国の王たちはその宝石を手に入れたくて、使いの者を出します。しかし、谷の底はいつも霧に阻まれていました。しかもこの谷には眼力の強い蛇がいて、なかなか容易に近づくことができません。なんとかして宝石を手に入れようと、家来たちはある方法を思いつきます。

まず羊を殺し、皮をはいでバラバラにした生肉を宝石がある深い谷底へ投げ落とします。すると空から鷲がやってきて肉を掴み巣へ持ち帰ります。家来たちはその鷲の巣を取って、鷲が運んできた肉に付着している宝石を集め、無事役目を果たすことができました。

その後伝説は宝石はダイヤモンドになり、主人公は古代ギリシャの帝国、マケドニア王国の君主アレキサンダー大王に変わっていきます。

進軍中のアレキサンダー大王は、「ダイヤモンドの谷」を訪れ、ダイヤモンドがある谷底にたどりつきました。すると無数の蛇が彼の行く手を阻んでいました。しかもその蛇に睨まれた者は、皆命を落とすことで知られていました。

彼は鏡を用意し、それを蛇たちに見せつけました。蛇たちは鏡に映った自分の姿を見て、あっという間に死んでしまいます。こうしてアレキサンダー大王は、まんまとダイヤモンドを手中に収めることができたということです。

「ダイヤモンドの谷」の物語は「千夜一夜物語」のエピソードの一編、「シンドバッドの冒険」にも描かれています。

伝説の怪鳥ロックにより、たくさんのダイヤモンドがある谷間に落とされたシンドバッド。ダイヤモンドに喜んでいるのもつかの間、そこには多くの大蛇がとぐろを巻いていたのです。なんとか洞穴に逃げ込み一夜を明かした彼は、翌日この恐ろしい谷間から逃げ出そうと、あちこち調べ回りました。そのとき上から大きな羊の肉が落ちてきました。シンドバッドは、商人たちがダイヤモンドを取るためのハゲタカをおびき寄せるのに肉片を投げ込むのを思い出します。大きめのダイヤモンドをポケットに詰め込めるだけ詰め、肉片を1つ自分のベルトに結びつけました。すると大きなハゲタカに拾いあげられ、山の頂上にあるハゲタカの巣に落とされます。騒ぎたてる人間の声がして、ビックリしたハゲタカは肉を捨てて逃げて行きました。肉のそばへ走り寄った商人たちは、肉の下からはい出してきたシンドバッドを見てびっくり。シンドバッドは、助けてくれたお礼に商人たちにポケットのダイヤモンドの一部を渡します。商人たちは喜んでシンドバッドのために船を用意し、シンドバッドはその船に乗って、無事自分の家に帰ることができたということです。

ダイヤモンドにこんなお話もあるとは。まさかシンドバッドの冒険にまで登場していたとは、思いもよりませんでした。


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