
NO.384 アフリカのジュエリー、スイス・ジュネーヴで注目される
幅広い表現と公平性を唱え、世界のジュエリー業界に議論の場を提供した「アフリカン・ジュエリー・ウィーク」展が開催されました。
スイスのジュネーヴで、毎年5月に2018年より開催されているジュエリー見本市ジェムジュネーヴ(GemGenève)。2025年は、5月8日から11日まで、1925年のパリ万国博覧会から100周年を記念して「アール・デコ:時代を超えたエレガンスの遺産」というタイトルで美術館レベルの作品が展示され、大きな話題となりました。
さらにもうひとつ注目されたのが、より幅広い表現と公平性を唱え、世界のジュエリー業界に議論の場を提供した「アフリカン・ジュエリー・ウィーク」展です。この展覧会はJGAA(アフリカジュエリー宝石協会)とのパートナーシップにより、アフリカのデザインに焦点を当てたものでした。アフリカ大陸を単なる宝石の原石の産地と捉える長年の風潮に一石を投じることを目標に、企画されました。
JGAA会長兼創設者は、ザンビア生まれロンドン在住のロンゴ・ムライショ・ジンサー氏。彼女は弁護士としての活動に加え、アフリカの仲間を助けたいという熱い思いから2022年この協会を設立しました。「認知度が低いアフリカンジュエリーですが、露出を増やしていけば世界のジュエリー業界で重要な地位を築けると信じています。なぜなら高いスキル、創造性、才能、すべてが私たちの手の中にあるからです」とジンサー氏は語ります。
JGAAは、ジュエリーの研修と宝石教育を通じて、アフリカの貧困削減と経済発展に焦点を当てた初の団体です。宝石商、宝石専門家、宝石鑑定士、ビジネスマン、教育者、投資家、そしてアフリカ開発のプロフェッショナルで構成されています。
アフリカ大陸には豊富な鉱物資源が多く存在しているにもかかわらず、アフリカの人々という大切な資源は見過ごされがちです。そこで、人に焦点を当て、ジュエリー・宝石を通じて持続可能な経済発展を支援しています。
今回の展覧会のタイトルは、「すべては私たちの手の中に」。国際的に、あるいはアフリカ本国で活躍しているジュエリーデザイナーが参加。また教育機関であるケニアのマスターピース・アカデミーやザンビアのンサンシ・アートといったジュエリースクールの作品も展示されました。ンサンシ・アートでは、恵まれない女性たちがジュエリー職人になるのを支援も行っています。
JGAAは、ジェム・ジュネーヴと共同でジュエリーアワードも開催。デザイナー部門と宝石職人のエキスパート部門の2つの部門に分かれたコンテストの応募作品の中から優秀作品が選ばれ、会期中に授賞式が行われました。デザイン部門の受賞者には、ボツワナ出身のクモ・P・マクワ氏、ムバコ・バラエディ氏、ナイジェリア出身のオラジュモケ・オルワトゥンミビ氏の3名が選ばれました。
マクワ氏がデザインしたのは、「マプラ」という名前のブローチ。マプラとはボツワナの公用語セツワナ語で雨を意味し、再生と豊かさを表現しています。K14ゴールドにルビーとダイヤモンドをセッティング、大胆な幾何学模様とユニークなフォルムが印象的です。
バラエディ氏のペンダントは、ボツワナの代表的な伝統工芸品、ボツワナバスケットから着想を得たもの。バスケットの特徴であるアースカラーと渦巻き状のテクスチャーが、ジュエリーの中にさりげなく表現されています。
オルワトゥンミビ氏のマルベリーネックレスは、木の枝の形をしたペンダントトップにルビーとパールをセッティング。自然の豊かさを感じさせます。
ジュエリー産業を通してアフリカの、特に女性の地位向上を目指すJGAAやンサンシの活動は、まさに今の時代を反映したもの。これから先アフリカからどんなジュエリーが発表されていくのか、興味津々です。
画像: gemgeneve.com

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