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10月の誕生石は赤、黄、緑、青などすべての色が存在し、カラーバリエーション豊富なトルマリン

Written by MACHIDA Akemi

カラーによって違った名前があり、濃い赤はルベライト、深い緑はクロムトルマリン、藍色はインディゴライト、カナリアの羽根のような黄色はカナリートルマリンと呼ばれている。


南国の海を思わせるネオンブルーの輝きを放つパライバトルマリンは「幻の石」と言われ、年々価格が高騰している。内側から発光するような、ピリッとした鮮烈な青は、他のどの宝石にも見当たらない色味。

月によっては複数の誕生石がありますが、10月はオパールのほかにトルマリンが誕生石として定められています。オパールは遊色効果があり、トルマリンはカラーが豊富といった、どちらも素晴らしい色に特徴があるのが共通点です。トルマリンは、ない色がないと言われるくらい、赤、黄、緑、青、紫、無色や黒などすべての色が存在します。結晶は柱状のものが多く、含まれる微妙な元素の違いにより、多彩な色が生まれるのです。

産地は、主にブラジルですが、アメリカ、モザンビーク、ナイジェリア、スリランカなどでも産出されています。あまりにも色の種類が多いため、カラーによって異なる名前、例えば深い赤はルベライト、濃い緑はクロムトルマリン、藍色はインディゴライトと呼ばれています。

ヴァン クリーフ&アーペルのハイジュエリー。K18ホワイトゴールド・グリーントルマリン・サファイア・ダイヤモンド・パール ネックレス。Van Cleef & Arpels/Brand Jewelry 2016Summer-Autumnより。

濃い赤色はルベライトですが、それより色が薄くなっていくとピンクトルマリンと名前が変わります。ブルートルマリンと区別されるインディゴライトは、青色が濃いほど希少性が高まるため高値で取引されます。黄色でもビビッドなカナリアの羽根を思わせる色味はカナリートルマリンと呼ばれ価値が高く、イエロートルマリンとは異なる色彩を持ちます。

トルマリンは、1500年代ブラジルでグリーンのトルマリンが発掘されたのが始まりとされています。その青みがかった深いグリーンは、だいぶ長い間エメラルドと混同されていたようです。名前の由来は、スリランカのシンハラ族の言葉で、宝石の砂や小石を意味する「トルマリ(Turumali)」からきています。熱や圧力を加えると電気が発生することから、和名では電気石とも呼ばれています。

ピンクとグリーンなど1つの石の中に2つ以上の色を持つバイカラートルマリンは数が少なく、宝石ファンの間で人気が高まっています。色の数だけ組み合わせがあり、発色の仕方や色の入り方などオパールと同様、1つとして同じものがありません。バイカラーがどうして生まれるのか、はっきりしたことはわかっていないようですが、クロムやマンガンなどの元素が、時間差で取り込まれるため別の色が現れるのではないかと言われています。

内側のピンクを外側の緑で囲んだスイカのようなウォーターメロントルマリンも人気です。スイカに似た色の効果を充分に発揮させるため、薄くスライスしてリングなどにセットされます。バイカラーもウォーターメロントルマリンも人間の手では決して作れない、偶然が生み出した自然の美しさを感じます。

ショパールの様々なブルーの宝石を組み合わせたリング。K18ホワイトゴールド・アクアマリン・パライバトルマリン・サファイア。Chopard/Brand Jewelry 2016Summer-Autumnより。

トルマリンの中で最高評価を受けているのがパライバトルマリンです。1ctあたりの価格が高く、色石の中で最も高いのではないかと囁かれているほどです。パライバトルマリンは、ブラジルの北東に位置するパライバ州で産出されたことからその名がつけられました。最大の魅力は、南国の海を思わせるネオンブルーの輝きにあります。

パライバで発見された1989年から1年間しか採れなかったとも言われ、その後はほとんど見つかっていないため、「幻の石」と言われています。現在、モザンビークやナイジェリアでも産出されていますが、良質なものはわずかだそうです。内側から発光するような、ピリッとした鮮烈なパライバトルマリンの青は、他のどの宝石にも見当たらない色味です。流通量は年々減る一方なので、今後ますます価格が高騰するでしょう。

トルマリンは、大自然の強力なエネルギーを持つ石として古くから儀式や病気の治療に使われていました。電気を帯びる性質から、心身ともにエネルギーが高まり、やる気が湧く石とも言われています。日本の女性には、ほんのりと紫がかったピンク色のピンクトルマリンが人気がありますが、トルマリンの電気で吸い寄せるイメージからか、つけると良縁を引き寄せ、恋愛運がUPすると信じられています。

プラチナ・パライバトルマリン・ダイヤモンド ピアス。Your Emerald/Brand Jewelry 2018Summer-Autumnより。

ポジティブな意味を持つトルマリンにはさまざまな色があり、カットの仕方が違うだけで、また違った味わいがあります。たくさんのカラーを集めて、今日は暖色系、明日は寒色系と使い分け、秋のファッションに合わせてみてはいかがでしょうか。グリーントルマリン1つとっても黄色味がかったものや、クリアに近いグリーンなどバリエーションに富んでいるので、じっくり自分好みの色を探すのも楽しいでしょう。

*トップ画像:プラチナ・パライバトルマリン・ダイヤモンド ネックレス。Rosway Brand Jewelry2018Summer-Autumnより。

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