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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

No.218 地名や人名にちなんだ宝石名。日本にもあります!

BJI ブログ No.218

宝石にはいろんな名前がついていますね。今回は地名や人名がついている石をご紹介したいと思います。

まずは青の色味が美しいトルコ石。紀元前4000年に古代エジプトのお墓にも埋葬されていた、世界最古の宝石の1つです。トルコで採れるからトルコ石と思ったら、大間違い。トルコ石の産地としては、昔はペルシアと呼ばれていた現在のイラン周辺が有名で、トルコでは全く産出されません。

11世紀末~13世紀の十字軍の遠征によって、東欧、中東からトルコ人の宝石商を通じて西欧へ入ってきたことから、「トルコ石」と呼ばれるようになったのです。トルコ石はイランのほかに、シナイ半島(エジプト)、アメリカン・インディアンの居住地区のあるアメリカ南西部、中国でも産出されてきました。アメリカン・インディアンがシルバーとトルコ石で作るインディアンジュエリーは、日本でも人気がありますね。

次に、トルコ石と同じような青緑色のアマゾナイト。アマゾン川で採れるのか?と思ったら、これもまた違うんですね。ロシア、モザンビーク、ブラジル、ペルーなどで産出され、特にペルー産は質の高いことで有名です。名前の由来は諸説ありますが、一説にはアマゾン川流域で見つけた他の石と混同して、市場に持ち込まれことからだとか。いずれにせよ、アマゾン川では産出されません。こちらもトルコ石同様、古代エジプト時代から宝飾品として使われてきました。

そして、パープルがかったブルーが魅力の最近人気のタンザナイト。ティファニー社が、1967年タンザニアで産出した深い紫色のゾイサイトを「タンザニアの夜」にもじって命名されました。(当ブログNo.122参照

ティファニー社は宝石の名付け親になることが多く、たとえばケニアのツァボ国立公園から発見されたことからつけられたグリーンのガーネット、ツァボライトもあります

人の名前から石名がついたものとして有名なのが、1902年アメリカ・カリフォルニアで発見されたクンツァイトでしょう。ティファニー社の伝説の鑑定士、ジョージ・フレデリック・クンツ博士の名前から命名されました。クンツァイトは、一般的にピンクが知られていますが、イエローやミントグリーンのものもあります。

オーストリアで発見され、「新種の鉱物」であることに気づいた著名な科学者ジグムント・ゾイスの名にちなんでつけられたのが、ゾイサイト。当初は知名度が低かったのですが、前出のタンザナイトの発見により一躍その名を知られるようになりました。今ではタンザナイトよりも希少性が高いピンクゾイサイトも注目されているとか。それもピンクタンザナイトと命名されているものもあります。

日本人が発見した宝石もあります。それは、世界三大ヒーリングストーンの1つとして知られるスギライト。紫色からピンクがかった色が魅力の石です。1944年に九州大学地質学科岩石学部教授である杉健一氏、他関係者によって、瀬戸内海の岩城島で発見されました。当時は成分などがはっきりと断定できず、「岩城石」と呼ばれていました。その後杉氏が他界し、1977年に彼の弟子が石の分析に成功、杉氏の名前からスギライトと名付けられました。

地名や人名で名づけられた宝石にも、さまざまなエピソードがあります。

古代から近代にいたる宝石の名前から、産出された時代へと思いを巡らせてみるのも楽しいもの。宝石選びのヒントにもなりそうです。

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