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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

NO.255 自然が創り出した十字架の宝石、スタウロライトとキアストライト

Text=Brand Jewelry

10月のハロウィンが終われば、次は12月、キリスト生誕を祝うクリスマスがやってきます。

キリスト教のお守りと言えば、十字架。ジュエリーでも一番人気のデザインですが、なんと、鉱石にも十字架の模様のあるものがあるってご存知ですか?

その1つは、スタウロライト。ごつごつとした白い地に、赤褐色または黒の十字の模様に浮かび上がっているもの。もちろん人工的に作られたものではなく、自然に出来上がったものなんです。不思議ですよね。別名「妖精の十字架」または「クロスストーン」と呼ばれています。

十字模様は、変成岩の中に2本の柱状の結晶が成長していく過程で、90度または60度の角度でお互いに交差して大きくなっていくことでできるのだそう。90度になると十字に、60度だとX状の形になります。

さらに珍しいものとしては、Xの真ん中の部分に垂直に交わったロシア語のアルファベットЖ(ジェイ)のような形をしたものもあります。

風化に強いため、母岩が風化しても十字架の形の結晶だけで発見されることも多いです。その形から、中世ヨーロッパでキリスト教の洗礼に使用、また十字軍兵士が出征する際にお守りとして身に着けていたといわれています。16世紀のスペインでは、魔よけのお守りになると信じられていたとか。

妖精たちがキリストの死を悲しんで流した涙から生まれたともいわれ、それが「妖精の十字架」といわれるようになった所以です。標本がメインで、キリスト教圏では人気の石です。アメリカ、カナダ、ブラジルなどから産出、日本でも採れるそうですが、残念ながら十字の形がはっきりと出ているものはないそうです。

もう1つは、クロスストーンと呼ばれている石がキアストライト。見る角度によって異なる色が見える多色性の石、アンダリュサイトという宝石の変種です。アンダリュサイトの中でも、十字模様が見られるものをそう呼んでいます。

ただし、スタウロライトのようにクロスが浮き上がって見えるのではなく、柱状に成長した結晶を横断するように切断し研磨、ビーズやカボションカットにすることで、十字模様が現れます。

スペイン、ブラジル、スリランカなどから産出します。かつてスペイン北西部の町サンティアゴ・デ・コンポステーラ近くの片岩層からも見つかっていました。サンティアゴ・デ・コンポステーラは、エルサレムとローマと並ぶキリスト教の三大聖地のひとつ。中世の土産物屋にはこの「十字架の石」で作ったお守りが多く並び、キリスト教徒の間で信仰心のシンボルとして大切にされてきました。

自然から生み出されたユニークなクロスストーン。 一般的に言われる「宝石」とはまた一味違う、神秘的な魅力を感じさせてくれます。

TOP画像出展 : gemrockauctions.com

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オリジナルポーチ。春から初夏にかけて、花々が咲き誇る風景。そこに、ブルートパーズやガーネット、さらに緑色の宝石を羽に散りばめたバタフライ。どこかにジュエリーをアクセントにしているのがこのポーチのデザインの特徴。両面とも同じプリントです。内側は柔らかなポリエステル。コスメ、ハンカチ、アクセサリーなど身の回りのものがたっぷり入り、人に見せたくなるポーチです。日本製。
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