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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

No.69 「他人からの嫉妬の視線」を防ぐ邪視除けを新しいデザインにアレンジ。ウズベキスタンのデザイナー

BJI ブログ No.69

先日テレビを見ていたところ、トルコの邪視除け「ナザール ボンジュウ」の話題が取り上げられていました。邪視とはイスラム教以前の慣習に由来した「他人からの嫉妬の視線」のことで、トルコ以外の中東、中央アジア、そしてヨーロッパの地中海沿岸まで伝わっています。邪視除けは、赤ちゃんの産着には必ずつけられ、大人になっても多くの人がペンダントやブレスレットにしたり、車や家につけたりしています。

青い丸いガラスの中心に目が描かれたユニークなデザインは、15年ほど前に携帯ストラップやブレスレットが日本でも「かわいい!」と受け入れられ、認知されるようになりました。SNSを通して、知らない人と直接やりとりできる今日、お守りとして役立ちそうです。

プリミティブなお守りというイメージが強い邪視除けですが、それをカスタムジュエリーへと昇華していったのがウズベキスタン出身で現在アメリカ・マイアミを拠点に活動するジュエリーデザイナー、ニゴラ タバイヤー。

建築家の父とファッションデザイナーの母を持ち、ヨーロッパとアメリカで育った彼女は、2019年3月に自身の名を冠したブランドを立ち上げ、同じ月のパリコレで「Eye collection(アイ コレクション)」を発表、一躍評判となりました。

幼少期に母親が「邪視除けのブレスレット」なしでは外出を許さなかったことから「邪視除け」は彼女にとってなくてはならないものとなり、デビュー作としてこのコレクションを発表することはとても自然な流れだったそう。

ホワイトゴールドとメレダイヤでイニシャルをかたどり、「瞳」の部分にはエメラルドをアクセントとしてセッティング。アイテムはネックレス、ブレスレット、リング、イヤリングがそろっていますが、特に胸元にインパクトのあるネックレスが魅力的。

顧客には、女優のミラ ジョヴォヴィッチ、モデルのココ ロシャ、シャニーナ シャイクといったセレブが名を連ね、2019年のヴェネチア映画祭ではモデルのキャンディス スワンポール(Candice Swanepoel)が自分の名前のイニシャル「C」をかたどったネックレスを身につけて話題となりました。

ジュエリーの勉強は特にしてこなかったものの、ともにクリエイティブな職業に就き芸術に関心の高い両親のもとで育ったこと、常日頃から母の数々の美しいジュエリーコレクションを見ていたこと、出かけて行った旅行でのさまざまな体験が創作のヒントになっています。

今秋には、新しいコレクションが発表される予定。日本にはまだ未上陸ですが、ちょっと気になるブランドのひとつ。



トップ画像:http://www.thejewelleryeditor.com/celebrities/milla-jovovich/

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