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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

No.89パリからダラスへ。「カルティエとイスラム美術」を探求する美術展開催、本も発刊

BJI ブログ No.89

2022年2月20日までパリの装飾美術館で開催している「Cartier and Islamic Art: In Search of Modernity (カルティエとイスラム美術:現代性を求めて)」は、1936年頃のカルティエロンドンのプラチナ、ダイヤモンド、ターコイズのティアラなど、カルティエの象徴的なデザインで、創業頃に影響を受けた多様な文化を探る新しい展示会です。

展示会は2022年5月14日~9月18日、アメリカ、ダラス美術館(以下DMA)でも開かれることになっています。

DMAとパリの装飾美術館が共同で開催するこの展示会は、ルーヴル美術館とカルティエの支援を受けており、カルティエの所蔵品、パリ装飾美術館、ルーヴル美術館、ダラス美術館に貸与されているイスラム美術のキールコレクション、その他主要な国際的なコレクションを含む400を超える作品が集められています。

カルティエの宝石、図面、アーカイブの写真などを、同様の形や装飾を施したイスラム美術のサンプルと並べて展示。カルティエの宝石のデザインがイスラムのモチーフからインスピレーションを受け、そこからカルティエらしいフォルムへと昇華された姿がはっきりとわかるような展示内容となっています。

カルティエの創設者ルイ=フランソ・ カルティエの孫、ルイ・カルティエ(1875-1942)は、イスラム美術蒐集に熱心で、特にペルシャの装飾された本に関心をもっていました。そこに描かれた色の組み合わせや幾何学的なモチーフが、カルティエジュエリー製作のヒントとなり今日に至っています。

さらに、宝石のスペシャリストだった弟のジャックは、1911年~1912年にペルシャ湾とインドを旅し、その文化にも傾倒、中東の宝である天然真珠を手に入れました。またその地域や近隣地域からエメラルドやその他の色とりどりの宝石を入手、作品にも取り入れました。カルティエの代表作品の一つである「トゥッティフルッティ」のコレクションもここからインスピレーションを受けています。

他にもルイ・カルティエ自身のペルシャとインドの絵画、写本、豪華なオブジェのコレクション、そしてこの展示会のためにハイジュエリーがおよそ80年ぶりに復刻され、話題となっています。

英国の出版社『Thames & Hudson(テームズ アンド ハドソン)』から同タイトルの本が出版。こちらもまたイスラム美術のモチーフとフランスのハイジュエリーのメゾンとのつながりを深く掘り下げており、パリやダラスに足を運べない人々にとっても楽しめる内容になっています。

『テームズ アンド ハドソン』社のサイトから直接入手することもできますが、外貨(イギリスポンド)での購入がちょっと不安という方、日本のamazonでも取り扱っていて、2022年4月から購入可能、現在予約受付中です。

海外旅行がままならない今、カルティエとイスラム世界が融合した古き佳き時代のジュエリーを、お家でゆっくり堪能できそう。

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