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ブランドジュエリーオリジナルの特集記事です。

エリザベス女王、ブシュロン(BOUCHERON)のダブルクリップブローチをあしらった装いで国会で演説

Written by WATANABE Ikuko

ダブルクリップブローチってなあに? 現在は見かけなくなった、贅沢なアイテム。


95歳という高齢で、イギリス連邦の君主として公務に従事されているエリザベス女王。74年間連れ添った夫、エディンバラ公爵フィリップ殿下の葬儀から日が浅く、悲しみも癒えていないと思われますが、職務に戻っていらっしゃいます。世界で一番の長期在位の君主であり、女王の精神力の強さには世界中の人々が畏敬の念を抱いているでしょう。

エリザベス女王は5月11日(火)、イギリス・ウィンザーで行われた国会開会式で67回目の演説をされました。女王はその日、式典のローブは身につけず、ライラックのロングコートに、その胸元にはブシュロンが制作したアクアマリンのダブルクリップブローチが輝いていました。

ブシュロンが製作したアクアマリンとダイヤモンドのダブルクリップブローチ。エリザベス女王は18歳の誕生日に両親からプレゼントされた。

このブローチは、ロイヤルコレクションの一部で、アクアマリンをメインに、オバール、バゲット、ラウンド カットのダイヤモンドが施されたアール・デコスタイルのダブルクリップブローチです。1937年7月31日にロンドンでエリザベス女王の叔父ケント公爵が購入し、1944年に女王の両親、ジョージ6世とエリザベス王太后から18歳の誕生日プレゼントとして贈られました。作られてから84年の歳月が経っていますが、画像からもわかるように、今も美しい、高貴な輝きを放っています。

ところで、ダブルクリップブローチとはなんでしょう? デュエットブローチとも言い、1910年頃から30年代、アールデコが流行した時代に登場したブローチで、同じデザインのブローチがペアになっているものです。エリザベス女王は2つのブローチを左の肩の上下につけていらっしゃいますが、1つにセットして使用することももちろんできます。アールデコ全盛期、女性たちはVネックの下部に1つつけたり、2つに分けてスクエアネックの両端につけたり、髪留めにしたり、いろいろなつけ方を楽しんだと言います。このブシュロン製のブローチは幾何学的なモチーフにアクアマリンとダイヤモンドをセットし、まさにアール・デコの象徴的なデザインとなっています。

エレガントでいろいろな使い方ができるダブルクリップブローチ。今の時代でも受け容れられるアイテムではないでしょうか。

取材協力:ブシュロン



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