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5月の誕生石はエメラルド。いろいろ見比べて、きれいな「緑」を選びたい

エメラルドは、六角柱状の淡い緑色の宝石。傷が少なく、表層に濃いグリーンが見えるものを


エコのイメージとリンクする「緑色の宝石」エメラルドは、5月生まれの人だけに限らず、世界中で人気が高まっています。デザインによって豪華にも爽やかにもなり、最近はデイリーに身につけられるタイプも増えています。

エメラルドは六角柱状の「エメラルドカット」と呼ばれるシェイプがよく知られますが、もちろんそればかりでなく、オーバルやラウンド、頭を丸くしたカボションなどもあります。エメラルドカットがジュエリーに多用されるのは、そのカットがこの宝石特有の濃いグリーンを強調し、最も美しく見せるカットだからです。エメラルドのグリーンは表層部分にあり、内部には色がほとんどありません。

2015年香港のオークションに出品されたコロンビア産エメラルドリング。
エメラルド(35.72ct)・ダイヤモンド。(Sotheby’s)

エメラルドは元々インクルージョン(内包物、傷)が多い宝石のため、昔からオイル処理や樹脂含浸といったエンハンスメント(人工処理)が施され、欠点を目立たなくしています。しかし、その処理も程度の問題があり、キズが少なく軽度な処理であれば、それは許容範囲ですが、キズや割れ目が大きい低品質な石に重度な処理を施したものは、経年変化しキズなどが目立ってきます。宝石研究機関GIAでは、クラリティ・エンハンスメントをminor(軽度)、moderate(中程度)、signifacant(重度)と記述しています。エメラルドを買う上で知っておきたいのは、まず肉眼でキズが見えないエメラルドはほとんどないということ。もしそういうものに出会い、値段があまりにも安かったら、過度な処理石か、人工か、疑ってみるべきでしょう。

エメラルドは、硬度が7で、ベリリウム、アルミニウム、ケイ酸塩鉱物で、鉱物学ではベリルに属します。ベリルは無色ですが、クロムやパナジウムが加わると、グリーンになります。

エメラルドは南極以外の大陸で産出され、国ではコロンビア、ザンビア、ブラジル、ジンバブエが有名です。昨今、トレサービリティを明確にする動きよって、商品にコロンビア産には、チボール鉱山、ムゾー鉱山、コスケス鉱山などと鉱山名を記す傾向もあります。

カボションカットのエメラルドの回りをブリオレットダイヤモンドで取り巻いたリング。
Pt・エメラルド(10.32ct)・ダイヤモンド。¥8,470,000(税込)(Your Emerald)

エメラルドの魅力は、やはりあのグリーンです。色相が黄や青にぶれず、純粋な緑が高品質といわれます。そして色が均質で、透明度のあるものがおすすめです。コロンビア産は、青みが少ない純粋なグリーンが多いといわれます。ザンビア産は青みを帯びたグリーンが特徴で、ブラジル産はやや黒みのあるグリーン、ジンバブエ産は黄緑に近い明るいグリーンが産出します。

トップ画像:ザンビア産エメラルドリング。
K18YG・エメラルド(19ct)・ダイヤモンド。(ピキョッティ/Picchiotti)

さらに読みたい方に

古代ギリシャ語で「緑色の宝石」と名付けられた宝石。自然志向の波に乗って、その魅力が再認識されている

参考:『価値がわかる宝石図鑑』(ナツメ社)、CGL、GIA


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