No.70 K10、K14、K18…K24。世界のゴールドジュエリー事情
BJI ブログ No.70
季節は秋へと変わり、身につけるジュエリーも暖色系のゴールドジュエリーの出番が多くなってきました。ところでゴールドジュエリーの裏側に刻印としてよく見られるK18やK10という表記。これが何を意味するかご存知でしょうか。
まずは「K」ですが、これは「カラット(karat)」の頭文字で金の純度を表す品位を表し、純金はK24と表記されます。
そういえば、ダイヤモンドやルビー、サファイアなどの重さも「カラット」と呼んでいるけれど、そちらの表記はct(caratの略称)。
両方とも元々は世界共通の重さの単位であるイナゴ豆(carab)から来ていて、金はイナゴ豆24個分の重さを基準としていたため、今でも金の純度を24分率で表すと言われています。
◉イナゴ豆とは? 古代より地中海沿岸地域で食用となっている豆で、サトウキビが利用される以前は、砂糖の原料として重要でした。
現在日本でジュエリーとして使われるゴールドは、K18(18金)といって金の純度が75%のものが主流。残りの25%は、割り金といってシルバーや銅、パラジウムといった別の金属を混ぜたものが入っています。
ただ20年ほど前は「ゴールドジュエリー」と言えばK18を指しましたが、現在はちょっと様子が変わってきています。金の高騰が進み、それまでの価格でK18のジュエリーを提供するのが困難になってきたのです。そこで登場したのが金の含有率は42パーセントのK10ジュエリー。K18に比べると変色しやすいこと、硬めな素材なので指輪のサイズ直しがむずかしいという難点はありますが、逆に硬い素材のため変形しにくく、傷が付きにくいという長所があります。もちろん価格はK18よりもリーズナブル。
ところで、海外を見渡してみると、国によってジュエリーに使われるゴールドの純度は違います。
たとえば、アメリカではK14がポピュラー。結婚指輪もK18ではなくK14が主流で、ハワイではハワイアンジュエリーの素材としてよく使われています。
またインターネットではカジュアルラインとしてK9の商品も見られます。
イギリスでよく使われるゴールドはK9。19世紀のヴィクトリア時代には、優秀な金細工職人によってK9を使った繊細なジュエリーが多数登場。デザイン性の高いジュエリーとして人気を博し、今もなおその伝統が受け継がれています。
他のヨーロッパ諸国でもK9が使用されていますが、国際的な見本市に並ぶゴールドジュエリーは、やはりK18。特にイタリアは、K18が主流であることはご存知の通り。
一方、ジュエリーに資産価値を求めるアジアの国々では、ゴールドはK24、またはK22が主流。一時、一世を風靡した「踊って歌うインド映画」では、ゴージャスな衣装に身を包んだ女性たちがヘア飾りから鼻ピアス、バングルとじゃらじゃらイエローゴールドジュエリーをつけていました。あの山吹色のような濃いイエローはK24ゴールドではないか?と思われます。
またアラブでゴールドジュエリーといえば、K22。ドバイのゴールドスークには、K22のゴールドジュエリーがびっしりと並び、日本人観光客がお土産にと訪れることも多いよう。
純度が高く、K24よりも硬度があるため日常の普段使いが可能ですが、K18やK14に比べると強度がなくデザインのバリエーションも限られているため、どちらかといえば素材の「資産価値」重視の人向きと言えるでしょう。
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