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No.173ロシアのウクライナ侵攻、インドのダイヤモンド産業を揺るがす

BJI ブログ No.173

2022年2月24日から始まったロシアのウクライナへの軍事侵攻。その影響は当事国だけではなく世界経済にも波及、食料やエネルギーといった市場価格の高騰にもつながっています。

天然ダイヤモンドを扱う宝飾業界もまた、厳しい状況にあります。

当ブログNo.113で取り上げたように、ロシアは世界最大のダイヤモンド生産国で世界市場の約30%を占めています。2022年3月、世界最大のダイヤモンド消費国である米国は、ロシア産ダイヤモンドの輸入を禁止。他の国々にも同様の措置をとるように、強く働きかけを行っています。

それによって大きな打撃を受けているのが、インドのダイヤモンド業界です。

世界のダイヤモンドの90%がインドで研磨されているのですが、西側諸国が課した経済制裁により、インドに入ってくるダイヤモンド原石の数は大幅に減少しました。

しかもロシアの主要銀行は、銀行間の国際金融取引を仲介するネットワーク「SWIFT」から切り離されており、インド企業が原石を直接購入することはさらに困難になっています。

2022年12月6日配信のNHKワールドニュースによると、1960年代からダイヤモンド加工の中心地となっているインド北西部の都市グジャラート州スラトでは、深刻な状況に陥っています。たとえば、ダイヤモンド加工会社を経営しているニキル・アソダリヤ(Nikil Asodariya)氏は、扱っているダイヤモンドの7割がロシア産だったため、売り上げが落ち込み、700人の従業員の雇用を維持する見通しが立っていません。

またスラトの労働組合には、職を失ったり、給与カットを心配している人々からの電話の数が、この半年で3倍以上に増えたということです。

インドのダイヤモンド加工職人の多くはパートタイムまたは臨時雇用によるため、解雇されやすい立場にあり、ロシアのウクライナ侵攻以降、スラトでは約3万人が職を失ったと報道されています。

こうしたインドの状況は世界のダイヤモンド産業にも波及しています。東京でジュエリーの鑑定会社を経営する株式会社ジュエリーアドバイザー アンド ギャラリー代表取締役 原田信之氏によると、「ロシア以外の他の地域から原石を調達し、補填することは難しいでしょう。供給不安のため、ダイヤモンドの価格が上昇し、国際価格は侵略前よりも30%高くなっています」といいます。

ダイヤモンド業界にも大きな影響を及ぼしているロシアのウクライナ侵攻。できるだけ早く終結してくれることを願うばかりです。


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