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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

No.208 ウクライナ復興のために、ダイアナ妃の「白鳥の湖」ジュエリーセット、ニューヨークでオークション

BJI ブログ No.208

2023年6月27日、英国王室御用達ジュエラー、ガラード制作による南洋真珠ネックレスとそれに合わせたイヤリングがオークションにかけられます。ネックレスはダイアナ妃が1997年6月3日、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われた英国国立バレエ団「白鳥の湖」の開幕式に出席した際着用していたもの。178個のダイヤモンド(総重量51カラット!)と直径 12mm玉の南洋真珠が5個ついています。

それを身に着けた彼女の姿は、数多くの報道機関や有名人の出版物に取り上げられ、アメリカの雑誌『ピープル』の『イヤーブック 1998」』の表紙も飾りました。

ダイアナ妃から依頼を受け、開幕式に間に合わせるためにとりあえずネックレスだけを急いで作ったガラード。その後ネックレスとセットで着用できるように完成したイヤリングは、合計9.38カラットのブリリアントカットとマーキスシェイプのダイヤモンドに、12mmの南洋真珠がセットされました。ネックレスとペアで「白鳥の湖」セットと呼ばれています。

当時のダイアナ妃の恋人ドディ・アルファイドが、彼女への贈り物としてガラードに注文していたものと言われています。しかし彼女は、その贈り物を受け取る前にあの悲劇的な事故に遭遇。イヤリングは、彼女の耳元を飾ることはかないませんでした。

ダイアナの死から2年後、家族はガラードにこのジュエリーセットの販売を許可。その収益の一部はユニセフとダイアナが熱心に行っていた地雷禁止活動に寄付することになっていました。ジュエリーは、ガラードからニューヨークに本拠を置くオークションハウス、ガーンジーズを通してアメリカの実業家が購入。その後ウクライナの不動産開発業者へと所有が移りました。

そして今また、ガーンジーズによって、オークションに出品されることとなりました。予想落札額は1500万ドルと言われています。

その収益の一部は、ウクライナの再建に充てられることになっているとのことです。

ダイアナ元妃が特別な機会に着用したジュエリーの多くは、王室から借りたもの。しかしこの「白鳥の湖」セットは、ガラードが「ダイアナのため」に制作したものでした。

1996年、チャールズ皇太子と離婚。王室から1人で外の世界に飛び出し「夢見る少女」から「たくましい女性」へと変わっていったダイアナ。

1997年6月3日の「白鳥の湖」の開幕式、水色のミニドレスに南洋真珠のネックレスを身に着けた彼女の晴れ晴れとした笑顔には、堂々とした大人の女性の表情が読み取れます。

「白鳥の湖」セットが王室からの借り物ではなく、「彼女所有のもの」だったという点もこのジュエリーの魅力のポイントと言えるのではないでしょうか。

トップ画像出典:www.guernseys.com

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