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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

No.211 日本文化の影響を受け、ヨーロッパで開花したアール・ヌーヴォー。パリで展示会が開催中

BJI ブログ No.211

コロナもだいぶ落ち着いて、海外へと足を伸ばしたくなる今日この頃。夏休みは思い切ってヨーロッパに行ってみたい!

そんな気分を盛り上げてくれるのが、”レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校”が2023年6月2日から9月30日まで開催しているパリのアール・ヌーヴォー展。”レコール”とは、ヴァン クリーフ&アーペルの支援のもと、2012年に設立された一般の人に向けたジュエリーの教育文化機関です。通年で行われる講義のほか、さまざまなプログラムをフランス語と英語で提供し、世界各地における出張講義も開催しています。コロナ禍ではオンラインスクールを開講、当サイトの特集記事ーFEATUREでも何度か取り上げてもいます。

今回の展示会は、「アール・ヌーヴォー、ジュエリーの変容(A New Art. Metamorphoses of Jewlery, 1880-1914)」と題して、美術館、遺産、個人のコレクションから選りすぐった約100点の作品を公開しています。

自然とその現象への賛美がテーマとなっているアール・ヌーヴォーには、日本文化が深く影響しています。19世紀末とは和暦では明治末から大正ですが、その頃、はるばる欧州から日本に訪れた西洋人は、自然と調和する日本の芸術、美意識に感銘を受け、多くの日本の芸術作品を持ち帰りました。自然の支配するという思想を刷り込まれた西洋人には、日本人の自然と一体化する柔軟な心に驚きを隠せなかったようです。その影響が絵画や建築などの創作に広がり、ジュエリーではデフォルメされたファンタジーの世界を作りました。

ブローチ、クシ、ペンダント、リングといったすべてのアイテムに、植物、花、昆虫などの生物がモチーフに採用され、複雑で凝った作品が多く、現代では再現が不可能な技術もあります。

展示は、「妖精たち(Natures fériques)」「開花(Éclosions)」「抽象化(Abstractions)」の3つのセクションに分かれ、当時のレアな素材や、いま見ても斬新なデザインや作りのジュエリーに焦点を当てています。

作品は、ブシュロンやカルティエなどの有名メゾンのものから、ルネ・ラリック、ジョルジュ・フーケなど著名なアーティストたちのものがずらり。

公式サイトで事前予約が必要ですが、すべて無料で鑑賞できるのがうれしいですね。

希望者には、17時半から18時までレコールの見学も可能で、火、水、木、金の18時から19時まで展示会のガイド付ツアー(フランス語)も無料で実施しているそう。

日本でもアール・ヌーヴォー展はたびたび開催されていますが、本場のパリで鑑賞するとまた違った感慨を覚えるのではないでしょうか。

レコールでは年2回展示を行い、2023年10月からはフランス国立劇団「コメディ・フランセーズ」で使われているジュエリー(主に王冠)が展示される予定です。

トップ画像出典:lecolevancleefarpels.com

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