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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

NO.289 映画『アンカットダイヤモンド』、ニューヨーク47丁目ダイヤモンド・ディストリクトが舞台

Text=Brand Jewelry

ネットフリックスで配信中の映画『アンカットダイヤモンド』。ニューヨークを舞台に、主役の宝石商を2023年最も稼いだハリウッド俳優と言われるアダム・サンドラーが演じています。 2016年までアメリカのプロバスケットボール界で活躍していたケビン・ガーネット(通称K.G)が出演。ジュエリーが題材になっているから、ちょっとロマンチックなところも期待していたのですが、とんでもないクライムストーリー。

ニューヨークの宝石店の内部がわかる

時は2012年、宝石商ハワード・ラトナーは、極度のギャンブル依存症で借金に借金を重ね、自身が経営している宝石店にも取り立て屋がやってくる。しかも妻と3人の子供がありながら、店の若くてきれいな女性従業員を堂々と愛人にしているサイテー男。

ある日、彼はエチオピアで採掘されたブラックオパールの原石を手に入れます。これをオークションにかけ一儲けして、莫大な借金の返済に充てようと企てていました。そんな時店にやってきたのが、人気バスケットボールプレイヤーのK.G(ケビン・ガーネット)。セレブであるK.Gに自慢しようとオパールを見せると、彼は一目で気に入ってしまい「今夜の試合で活躍するためにこの石が必要だ、売ってくれ」と言い出します。オークションに出品するつもりのハワードはその申し出を断りますが、「今夜の試合だけ貸す」という条件でしぶしぶオパールを貸します。そこから事態はハワードの望まぬ方向へと進んでいきます。

邦題は『アンカットダイヤモンド』ですが、原題は『Uncut Gems(宝石の原石)』。これはブラックオパール原石のことを指すのではないかと思われます。ブラックオパールは主にオーストラリア、それもほとんどがライトニングリッジで採取されています。産地が限定され、しかも産出量が少ないため、希少性が高い宝石の一つに数えられています。エチオピアでも産出されますが、やはり希少性が高いです。ニューヨークの宝石店が舞台となっていますが、宝石店の様子が日本とはかなり違う感じ。

ハワードが営む店はマンハッタンの5番街と6番街の間、47丁目のダイヤモンド・ディストリクトと呼ばれる地区にあります。入り組んだビルの中の一角、来店客は外でブザーを押し店員はガラス扉越しに外の相手を確認してから、開閉ブザーを押して扉が開くというシステムです。扉はもちろん防弾ガラス。治安のよい日本では考えられませんね。あまり広いとは言えない宝石店の奥には、社長室と思われる部屋や職人のいる工房もあります。

アメリカに輸入されるダイヤモンドの9割はダイヤモンド・ディストリクトでカットされるといわれていて、この小さなエリアの中に2,600もの企業がひしめきあい、1日平均4億ドルの取引が行われているのだとか。多くはユダヤ人で、ハワードもまたその1人に数えられます。映画の中では、ユダヤ教の「過越(すぎごし)」の祭りで家族が集まるシーンも描かれています。オークション会社とのやりとりや、オークション会場シーンもリアルで、見ているこちらもハラハラ、ドキドキさせられます。

クズ男が主役、しかもかなりハードな内容で賛否が分かれていますが、私的にはアメリカのギャンブル事情やニューヨークの宝石業界の一面が垣間見られなかなか興味深い映画でした。以前当サイトNo.203(https://brandjewelry.shop/blog-203/)で紹介したNetflixで配信中のラフダイヤモンド(ベルギーのダイヤモンド街が舞台)と比べて見ても面白いかも。


トップ画像出典:cinemarche.net

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