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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

NO.293 『ティファニーで朝食』の初版特別装丁本、その価格はなんと150万ドル!

Text=Brand Jewelry

トルーマン・カポーティ(1924~1984)の小説『ティファニーで朝食を』の初版本を多数のダイヤモンドなどで装飾した特別装丁本。

デジタル化が進む昨今、本もペーパーレスが進んでいますが、紙の書物はデジタルにはない味わいがあるのも事実。ストーリーはもちろん、美しい装丁や著名なアーティストによる挿絵に誘われて、今も紙の本を手に取る自分がいます。ただ現在ではちょっと贅沢な作りの本が、少なくなってきているのを寂しく感じます。かつてはたくさんあった古本屋さんも、最近ではあまり見かけなくなりましたね。

アメリカ、ニューヨークでは、60年以上の歴史を誇る世界有数の古書見本市「ABAAニューヨーク国際古書市(ABAA New York International Antiquarian Book Fair)」が、毎年4月に開催されています。

書籍はもちろんのこと、古代の地図、貴重な記念品、写真、版画、封切り当時大人気だった映画やコンサートの印刷物、科学や宗教の出版物、著名人のラブレター、美術館クラスの美術品などが一堂に会します。

展示される品は、数十万ドルからわずか50ドルまでとさまざま。第64回を迎えた2024年は、4月4日~7日まで開催。アルゼンチン、デンマーク、ハンガリー、日本、英国など約20か国から約200名の書籍販売業者が参加しました。

その中で特に目を引いたのが、トルーマン・カポーティ(1924~1984)の小説『ティファニーで朝食を』の初版本を多数のダイヤモンドなどで装飾した特別装丁本。カポーティの生誕100周年を記念して製作されたもので、カポーティ自身の署名も入っています。

装丁は受賞歴のあるアーティスト、ケイト・ホランドが担当。1950年代のニューヨークの街路図をデザインした黒ヤギ革の表紙に、メインストリート部分は、ロンドンの宝石商ベントレー&スキナーによるプラチナ枠に1,000粒を超えるダイヤモンドがパヴェセッティングされています。

他の道はラインだけの「空押し」で、5番街と57番街の交差点にあるティファニーの旗艦店の位置には、1カラットのエメラルドカットのサファイアが輝いています。

さらにパッケージは、英国の家具製造業者ウォードール ワークショップのマスター家具職人ドム・パリッシュがデザインした黒檀の鳥かごに収められ、ガラス職人ジェイド・ピネルが作った美しい鋳造ガラスの台座に飾られています。そしてルイ・ヴィトン トリアノン トランクをベースにパリッシュによって作られたカスタムトランクに収められています。

本の中には、写真家デヴィッド・アティが『ハーパーズ バザー』誌から依頼されながら、小説はリスクが高すぎると判断し、その後『エスクァイア』に売却された『ティファニーで朝食を』のイラストや、アティの画像を使用した場合にのみ『エスクァイア』に記事の掲載を許可すると述べたカポーティのオリジナルのファックスレターも付属されています。

価格は150万ドル!(現在1ドル=150円:概算2億2,500万円)

日本ではオードリーヘップバーン主役の映画で知られる『ティファニーで朝食を』、今回の特別装丁本は”小説”という本来の目的を超越し、”芸術的なオブジェ”へと上りつめたようです。

ニューヨーク国際古書見本市の会期中、会場内で展示されていましたが、果たして誰が購入したのでしょうか。

画像出展:robbreport.com


誕生石の歴史は古く、旧約聖書に12石の記述が登場し、「守護石」として現代まで語り継がれています。本書では、12カ月の誕生石29石とその石でできたジュエリーを見せながら、石それぞれにまつわるストーリーを紹介しています。
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