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NO.308 ヴァン クリーフ&アーペルのネックレス、推定価格の3倍で落札!入札者はサザビーズ のスタッフ!

2024年6月7日、ニューヨークで開催されたサザビーズの「マグニフィセント ジュエルズ」オークション。出品された作品の中でも、特に注目されたのがヴァン クリーフ&アーペルのネクタイ型ネックレスです。

1929年に製作されたこのネックレスは、アール・デコの特徴である幾何学的な形のダイヤモンドを際立たせるデザイン。さまざまなカットのダイヤモンドをセンターから外側へ徐々に大きく変えた構成になっていて、細長いタッセルモチーフは着用方法に合わせて部分的に回転して使用できます。ドレスの前部にネクタイのように着用したり、片方の肩にアシメトリックに垂らしたり、タッセルを背中の部分にしてみたりと様々なスタイルが楽しめるのもこのネックレスの特徴です。

1930年代半ばまでに消費者の好みは短いネックレスや襟元へと移り、ラグジュアリーなネクタイネックレスは1935年頃には製造中止になったようで、ごく限られた点数しか作られませんでした。そんな希少なネックレスが今回出品されるとあって、オークション開催前からかなり話題となっていました。

7人の入札者による6分間の激戦の末、落札したのは、サザビーズのシニア・バイス・プレジデント兼「マグニフィセント ジュエルズ」部門責任者、キャサリン・ベケット氏で、落札額は360万ドル(約5億6700万円)。これは、オークション前の最高予想価格120万ドルの3倍にあたります。

また別のアール・デコ作品としては、1925年製のエジプト風デザインのカラーストーンとダイヤモンドのブレスレットがあげられます。

19世紀欧米で人気のあった建築様式、エジプト復興様式から触発されたこのブレスレットには、女神イシス、ホルスのハヤブサ、パピルスの葦が描かれており、ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド、ブラックオニキスが全体に散りばめられた華やかな作品。推定落札価格25万~35万ドルのところ、100万ドル以上で落札されました。

他にも話題となったのが、ハリウッド女優エヴァ・ガードナー(1922-1990)が所有していたVCA(ヴァン クリーフ&アーペル)のサイン入りエメラルドリング。7.46カラットの八角形にカットされたエメラルドの周囲には、大粒のダイヤモンドが8石取り囲んでいます。ロサンゼルスでコロンビア産のエメラルドを見つけ、後に1961年にニューヨークのヴァンクリーフ&アーペルで指輪にセットされたものです。

このオークションは、総額3,000万ドルで落札され、出品された作品の90%が落札、しかも62%が最高予想価格を上回る価格で落札されたとのこと。

サザビーズ公式サイト上にアップされた「マグニフィセント ジュエルズ」サイトの出品リストを見るだけでも、まるでジュエリーミュージアム!ため息がもれます。

それにしても、一番注目を浴びたネックレスを主催者サイドの責任者が落札するとはびっくり。今まで数多くの逸品を取り扱い目の肥えているベケット氏にとって、どうしても手に入れたかったものなのでしょう。このネックレスにかける並々ならぬ思いが感じられます。

画像出展 : sothebys.com

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ゴールドに天然真珠を配したブローチ。19世紀制作のアンティークです。真珠の養殖技術が成功する以前のものなので、天然真珠です。そのため小粒です。ゴールドは厚みがあります。中心のラッキーモチーフの馬蹄です。
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