NO.335 カルティエの「黒猫」ブローチとそれにまつわる猫のお話
欧米ではかつて不吉の象徴とする迷信があり、魔女狩りなどによって殺されることがあったといわれる黒猫。黒猫が前を通る、黒猫をまたぐと不幸が起こるといった話はよく知られていますね。
ただ実際の黒猫の性格はおおらかで、個体差はあるものの、甘えん坊で人好きな猫が多く、猫愛好者には人気が高いとか。一方、日本では黒猫は夜でも目が見えることなどから、昔から「福猫」として魔除けや幸運、商売繁盛の象徴とされていました。
明治の文豪、夏目漱石の『吾輩は猫である』の猫も周知の通り、黒猫。漱石が37歳の時に夏目家に迷い込んで住みついた野良の黒猫をモデルに小説が誕生しました。漱石夫妻にとってこの猫はまさに「福猫」だったわけです。
前置きが長くなりましたが、今回は黒猫にまつわるジュエリーのお話。2024年9月11日クリスティーズ・ニューヨークのオンラインオークションJewels Onlineに、黒猫モチーフのブローチが出品されました。落札価格は5万400ドル(約725万円)で、事前予想の1万5000~2万200ドルの2倍以上の値をつけました。
ジャスパーにマーキースカットのイエローダイヤモンドの目が入ったこのブローチは、1962年頃カルティエが制作したもの。K18イエローゴールドの金枠の裏側には「Cartier, Paris, Black Alley Cat(カルティエ、パリ、ブラック・アリー・キャット)」と刻まれています。
このカルティエのブローチを所有していたのは、かつてはピエール・バルマンのミューズとして活躍していたモデル、ニーナ・ダイアー。カルティエ・パリにこのブローチを特注したといわれています。1965年35歳の若さで亡くなったダイアーは、20世紀を代表するジュエリーコレクターの1人としても知られています。
猫好きとしても知られる彼女。生前2人の男性と結婚、離婚していますが、最初の夫ハンス・ハインリヒ・ティッセン=ボルネミッサ男爵はダイアーに2匹の黒ヒョウを贈り、世界旅行にも同行。2人目の夫、世界で最も裕福なイスラム系の王族サドルッディン・アガ・ハーン王子からは、今やカルティエのアイコンともいえるパンテール(フランス語でヒョウの意)のカフス、バングル、指輪、ブローチなどが贈られています。
猫好きとはいえ、莫大な資産を所有しているダイアー。カルティエのパンテールはもちろん、本物のネコ科のヒョウを飼っていたなんてスケールが大きすぎ。男爵と離婚後も、ヒョウ2匹と一緒に暮らしていたそうです。
カルティエのジュエリーデザインを担当していたジャンヌ・トゥーサンも無類の猫好きでした。ルイ・カルティエとその同僚から「パンテール」の愛称で呼ばれていたことでも知られています。彼女の代表作はもちろん、パンテールです。
養殖真珠が誕生する以前、世界の海を航海し、天然真珠をヨーロッパ大陸にもたらした海洋立国ポルトガル。首都リスボンに次ぐ第2の都市ポルトのパールジュエリーショップから買い付けた淡水真珠のピアスです。ぽってりしていて可愛いデザインです。
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0.5ctアップ ダイヤモンドペンダント(鑑定書付)
センターストーンは0.5ctアップ、周囲にダイヤをセットしました。0.5ctというサイズは1ctの半分ですが、身につけると想像以上に大きな印象です。さらに周囲をサテライトのようにダイヤモンドで取り巻いているので、ますます強い輝きを実感できます。価格以上のクオリティとゴージャス感があります。
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