
SDGsを意識。「木」を素材としたスタイリッシュなハイジュエリー
Written by Brand Jewelry
定着しつつあるサスティナブル、エシカルという考え方。ジュエリー製作においてもそれを意識しながら、クオリティの高い作品を発表している人たちがいます。イギリスのジュエリーサイト、The Jewellery Editorでは、木材をメインやアクセントの素材として使いながら、ゴールドや宝石と組み合わせたハイジュエリーを紹介しています。その中から、特にSDGsを意識した3つのブランドをピックアップしてみました。
ブラジルで生まれロンドンを拠点に活動しているFernando Jorge(フェルナンド・ホルヘ)。ディープ・ストリーム・コレクションでは、しなやかな曲線の形に加工された木材を使い、アマゾンの森林の美しさを表現しています。彼の母国ブラジルで豊富に育つクスノキ科のロウロ・レッド材をメインに、アクセントにブラウンダイヤモンドを散りばめ、ゴージャスな雰囲気をプラスしています。イヤリング、バングル、リングがラインナップしていますが、特に印象的なのがイヤリング。大ぶりで大胆な曲線が、耳元で個性的な光を放ちます。木材は、アマゾンの自然資源の持続可能な利用を促進する活動を行っているNGOから提供されたもので、このコレクションの収益の一部は、その活動を支援するために使われています。
次に紹介するのが、同じくブラジル出身の宝石職人Silvia Furmanovich (シルビア・フルマノビッチ)。ブラジル国内の職人と協力し、落ちた木の枝や樹皮などを原材料に、天然着色または植物抽出染料で染めて日光で焼いた素材を使用しています。それを使って動物、昆虫、植物、自然の風景を寄木細工で表現。小さなキャンバスに描かれた絵はまるで童話の挿絵のようです。さらに宝石やゴールドをセッティングし、トゥーマッチな印象にはならないのだから不思議。アマゾンの森林から回収された木材を寄木細工の技法を使って描いた鳥のイヤリングは、上部にゴールドの木の枝、そしてアクセントに施したペリドットが、美しく調和しています。
最後に紹介するのは、デンマークのKinraden(キンラデン)のコレクション、ムビンゴエディット。ブランドの創設者であるサラ・エミリー・ミュラーツのジュエリーづくりの信条は、持続可能性と倫理的な実践。使用されるゴールドやシルバーは、すべてリサイクル。木は楽器の製造に使用されるムピンゴ材で、タンザニアのFSC認証の森林から調達されています。FSC認証森林とは、森林の管理や加工・流通過程が適切に行われていることが認証された森林のこと。その素材のほとんどは、ミュージシャンの管楽器用に使われ、リサイクルしたものという徹底ぶり。それを宝石のようにファセットカットに加工し、シルバーやゴールドと組み合わせています。北欧らしいクールでユニセックスなテイストに、木が温かみのある雰囲気を醸し出します。
今までも木とゴールドやシルバーを組み合わせたジュエリーはありましたが、SDGsをここまで意識しながら、洗練されたデザインへと昇華したものは見当たらなかったように思います。今後、さらにその傾向は強くなっていくのではないでしょうか。
出典:https://fernandojorge.co.uk/
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