気持ちが高揚する船旅。舞い上がって船中の宝石店で間違った買い物をしてしまうことも。冷静沈着にお買い物を楽しむためのコツを教えます。

かつては、お金や時間に余裕のある欧米の人たちがゆっくり、のんびり世界各地を巡るといった印象が強かったクルーズツアー。アガサ・クリテスティーの小説の中にも描かれていたそんな旅行に、あこがれを抱いていた人もいるでしょう。近年は日本人のためのパッケージツアーも開催され、テレビでも参加者募集のCMが流れるほど、ポピュラーなものになりつつあります。船旅の思い出に、ジュエリーを買いたい気分になっても不思議ではありません。

今回は、クルーズ中にジュエリーを購入する際の注意点やポイントをご紹介したいと思います。

◎事前にしておきたいこと
１．ジュエリー購入の予算額を決める

海外クルーズの船上でのジュエリーショッピングの魅力のひとつは、免税。クルーズ中は消費税がかからないため、お得にジュエリーが購入できるというメリットがあります。ただし、クルーズ船のショップはすべて、国際水域にいる時のみ営業が許可されています。

商品を購入する際に関わってくるほぼすべての人が歩合制で働いています。限られた時間での営業となるため、高価な品を勧めてくることは想像に難くありません。

クルーズ船の楽しい雰囲気の中で、テンションも上がり、ついつい予算オーバーになりがち。自身の条件に見合っていないものを購入してしまい、後でこんなはずではなかったとならないためにも必ず事前に予算を決めておくこと。

また購入した品は帰国の際に税関に申告する必要があります。その中には関税がかかる場合もあり、ジュエリーの価格にかなりの追加金額がかかる可能性もあります。その点も理解しておくことが必要です。

２．クルーズ船のジュエリー取扱店のチェック

長年の事業実績があり、カスタマーサービス体制（返品、交換、サイズ直し等）がきちんとしていること。下船後もいつでも利用できる会社であることを確認しておきましょう。

３．利用するクレジットカード

購入には、クレジットカードを利用するのが一般的。カードは、詐欺（不当表示）取引や窃盗、商品の紛失に対する保護がついているものにしましょう。必要に応じて請求内容への異議申し立てができるカードであれば、購入後も安心です。

◎寄港地でのショッピング
１．購入後の返品

小さな寄港地では、ほとんどの宝石店が観光シーズン限定のみの営業となっています。そのため、シーズンが終了して店舗が閉店した後の返品・交換ができないお店が多いようです。返品対応については企業によって違いますので、購入する前に確認しましょう。

２．売買契約内容の確認

購入する際には、売買契約の内容、つまり販売者と購入者の義務と権利について書かれたものを渡されます。売上伝票の裏面に小さな文字で印字されていることが多いです。必ず読んで理解した上で購入しましょう。同意できない条件があれば、購入をしないという決断も必要。簡易版が店頭に掲示されていることもよくあるので、スマホなどで写真を撮っておきましょう。

３．クレジットカード使用について

販売店の独自のクレジットプランを勧められたら、規約を注意深く確認すべきです。自身の所有するクレジットカードにはない返済制限があるかもしれません。その点を見極め、納得できなければ購入を取りやめましょう。

クルーズ船内では数々のイベントが催され、長い船旅を退屈させません。中には、ダイヤモンドジュエリーについてラボグロウンダイヤモンドと天然ダイヤモンドの違いについての理解度を深めるためのセミナーや、スイス製時計についてその歴史や関連のイベントを開催し、同時にスコッチウィスキーやワインの試飲会などを行っているクルーズ船もあります。そうしたイベントに参加することにより、ジュエリーの知識を高めることができ、商品も安心して購入ができます。

これらを理解した上で、クルーズ船でのジュエリーショッピングを楽しみたいものですね。

参考文献：https://4cs.gia.edu/ja-jp/

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