ラピスラズリの青はイタリアのヴェネツィアがイメージ
Written by Brand Jewelry
イスラム国の影響を受けたブルーとゴールドのジュエリー
このジュエリーコレクションのブルーはラピスラズリです。青とゴールドの組み合わせがきれいですね。ラピスラズリの青は白い地金と合わせるとマリンっぽい爽やかなイメージになりますが、ゴールドではエキゾチックな雰囲気になります。
ここで取り上げたジュエリーはイタリアのロベルト・コインの新作「ヴェネツィアン ・プリンセス」。イタリアンジュエリーといえば、日本でショップ展開をするブルガリやダミアーニ を思い起こす人が多いと思いますが、ロベルト・コインのように日本ではあまり知られていないけれど、海外では評価が高く、欧米の一流デパートや宝石店で販売しているブランドも数多くあります。編集部がロベルト・コインを知ったのはイタリアの最大のジュエリーショー、ヴィチェンツァオロです。パビリオンの一等地に大型のブースを構えています。不定期に、日本では有名百貨店で期間限定のポップアップ、ジュエリー専門店などが行う販売会などで販売しています。（ご興味のある方は編集部にお問い合わせください）。
ロベルト・コインはコレクション数が多く、ブライダル、デイリーに身につけられるエレガントなゴールド＆ダイヤモンドジュエリー、アール・デコからインスパイアされたシャープなデザイン、高度な宝飾技術を生かしたアニマルモチーフのハイジュエリーなどを展開しています。日本の女性にもつけやすいボリューム、派手すぎないデザインも多く、日本でなぜこのブランドの知名度が上がらないのか、編集部として不思議でなりません。
「ヴェネツィアン・プリンセス」は名前の通り、ヴェネツィアのエレガントな女性をイメージしています。世界遺産であるヴェネツィアは10世紀頃、イスラム諸国と交易を始め、莫大な富が集中し栄えました。このラピスラズリのジュエリーはそんな歴史を彷彿させる異国情緒に溢れています。
【コラム】
ラピスラズリは6500年前にすでに人間が利用していたと言われます。主産地はアフガニスタンの山奥です。混乱が続いている国なので、供給は大丈夫なのかと心配になりますが、今ではシベリア、ミャンマー、パキスタンでも採れます。どこも政治不安の地です。加えて、カナダやアメリカでも産出するので、現時点では供給は問題ないようですが、天然石はいつでも危ういのです。
生命に関わらない鉱物なので取り沙汰されませんが、ジュエリーを作る人には入手しにくいのは困ります。
ラピスラズリは宝飾品ばかりでなく、クレパトラはアイシャドウ、フェルメールは絵具の材料に使用しました。マルコ・ポーロはラピスラズリの鉱山に注目し、ラピスの採掘は争いの原因になったそうです。昔も今も希少な天然資源への欲望は変わりません。
