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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

No.85 先入観にとらわれない素材とデザイン。新感覚のジュエリー展、ロンドンで開催

BJI ブログ No.85

深まる秋、ロンドンでは、11月18日(木)から自然主義をテーマにしたジュエリーの展示即売会が開催されています。この展示会のキュレーターを務めるのは、当ブログNo.65でも取り上げたサザビーズニューヨークで初の黒人ジュエリーデザイナー作品の展示販売会「ブリリアント&ブラック:ジュエリールネッサンス」でもキュレーターを担当したMelanie Grant(メラニー グラント)さん。「Force of Nature」(フォース オブ ネイチャー 自然の力)をテーマに、The Elisabetta Cipriani(エリザベッタ チプリアニ) ギャラリーとのパートナーシップによって実現しました。

展示品は、ファッションデザイナーのジバンシィの甥で現在NYで精力的に活動しているJames Taffin de Givenchy(ジェームズ タフィン ド ジバンシィ)、香港を拠点に活躍するするWallace Chan(ウォレス チャン)、パリで個性的なジュエリーを発表し続けるLydia Courteille (リディア  クーテル)、異素材を使ったスタイリッシュな作品に定評のあるBibi van der Velden(ビビ ヴァン デル ヴェルデン)などの現代ジュエリー作家の作品。さらに中国の現代美術界で知られるAi Weiwei(アイ ウェイウェイ-艾 未未)、アメリカの画家Frank Stella(フランク ステラ)といったアーティストの作品およそ40点から構成されています。

ジュエリーと他の芸術との境界線を取り去ろうという意図の下で開催されているこの展示即売会は、グラントにとって初の試み。パートナーであるエリザベッタ チプリアーニギャラリーのオーナー、エリザベッタ チプリアーニは、「メラニーが今回選んだアーティストの組み合わせは、ジュエリーと芸術との障壁を打ち破ろうとするはっきりとした意志が汲み取られ、私もそこに賛同している」と語っています。

またグラントは、「どんな芸術家もどんな分野であれ自由に働くべきであり、インスピレーションのような大きな自然の前では、反対意見などちっぽけなものにすぎません。この展示会に登場するアーティストたちは、1つのテーマをさまざまな形で具現化しています」と語っています。

艾未未の「Ring W」という名の2つのリングは、ゴールドを素材に「移住」をテーマにまるでエジプト文字のように人や動物が描かれていますが、武器を持つ人の絵にはっとさせられます。また、クーテルの類まれな職人技と厳選したカラーストーンを使った蝶を捕まえているサンショウウオのブローチは、ユニークなデザインと華やかさの中にも自然の営みを感じさせます。

グラントにとって、タイガーアイ、炭素繊維、化石化したアンモナイト、赤銅、陽極酸化アルミニウムなどの素材によるジュエリーを企画したことも今回が初めてなのだそう。一例として、ビビ ヴァン デル ヴェルデンの頭と尻尾はK18ゴールド、胴体部分はタイガーアイを使ったワニのイヤリングがありますが、その完成度の高さはまさにwearable art(ウェラブル アート:身に着ける芸術品)と言えるでしょう。

展示会は11月18日(木)の夜、サーペンタインギャラリーのサポーターが参加するプライベートレセプションで幕を開け、作品は19日(金)~27日(土)まで、エリザベッタ チプリアーニギャラリーにおいて個別のアポイントまたは電話で購入できます。

参考サイト:

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