NO.274 「ゴールデンカムイ」に見るアイヌの装身具文化
Text=Brand Jewelry
明治末期の北海道を舞台に、元陸軍兵の男とアイヌの少女の金塊探しの物語「ゴールデンカムイ」。野田サトル作の人気漫画でTVアニメにもなり、2024年1月19日から実写映画公開へ。その映画もわずか17日間で観客動員数111万人という大ヒットとなり、ロングラン上映の予定です。
ワイルドでハードボイルドな作風は男性に人気がある一方、今まであまり語られてこなかったアイヌ民族の文化や生活習慣も話題になっています。丁寧な調査に基づいたその内容はかなり正確に描かれ、アイヌ研究者からも高い評価を受けています。
アイヌの装身具
映画の中で気になったのが、劇中に登場するアイヌの少女、アシㇼパのイヤリング。いつもビーズ付きの大きなわっかのイヤリングをしているのですが、どうやらピアスのよう。アイヌ語で「ニンカリ」と呼ばれ、形は円形やフックタイプのものが主流。素材は銅・亜鉛・ニッケルなどでできた合金がほとんどで、大きさは直径7~8cm前後のものを中心に、3cm前後の小ぶりなものから、なんと10cmを超える大ぶりのものも。金属製やガラス製の飾り玉が付くものもあります。
その昔アイヌ民族では、幼少期祖母や母親によって耳たぶに穴をあけられ、男女の区別なく日常的に身につけていました。葬儀の際には副葬品として故人とともに埋葬されることもあったとか。
しかし明治初頭には同化政策の一環として男性のニンカリが禁止され、身につける人は減少。現在では、主に女性が儀式などで正装する時に頭に巻く鉢巻きに耳飾りを縫いつけたり、通常のピアスと同じくらいの太さや大きさに作られた品を購入して身につけているようです。
さらに作中に登場する装身具としては、「タマサイ」があげられます。タマサイとは、ガラス玉をつないだ首飾り。アイヌはガラス玉を好み、大陸や本州との交易で入手していました。
ガラス玉の他に鉛・錫・真鍮などの飾り玉、中国や日本の古銭を使用したものも見られます。大きいものでは直径5cmくらいのガラス玉を使用、普段づかいというより大切な儀式の時だけに用いられていたようです。儀式の際、祭壇に捧げられたりもしていました。母から娘への形見といった意味合いもあり、老人もつけました。
ペンダントのヘッド部分が、金属の飾り板になっているものもあり、飾り板のついたネックレスや飾り板そのものを「シトキ」と呼んでいました。
面白いものでは、耳飾りと首飾りが合体したような装身具も見られます。かつては、耳につけていない耳飾りを首飾りにかけて保管していました。
多くは、対になっている耳飾りを首飾りの左右に1つずつ下げているのですが、1つの首飾りに2~3組ほどの耳飾りを下げたものも存在しています。
日本の宝飾品というと、帯留めや簪(かんざし)、櫛というイメージですが、北海道で生活していたアイヌには、それとは全く違う文化が花開いていたということがわかりびっくり。狭いようで南北に長い日本の土地、文化の多様性が感じられます。
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画像出展:commons.wikimedia.org
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