「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」展、開催中。2024年10月12日(土) – 2025年1月5日(日)、東京ステーションギャラリー
Written by Brand Jewelry
20世紀のイギリスを代表するクリエーター、テレンス・コンラン。インテリア、建築、レストランなど、広いジャンルでその才能を発揮し、モダンなイギリス文化の立役者となりました。そのコンランの初の展覧会が注目されています。
テレンス・コンランは惜しくも2020年に亡くなりましたが、彼は分野を超えて活躍し、保守的なイギリスの生活様式にモダンな息吹を吹き込みました。
コンランは戦後まもなくテキスタイルや食器のパターン・デザイナーとして活動を始め、1960年代、ホームスタイリングを提案する画期的なショップ「ハビタ」をチェーン化して成功を収め、起業家としての手腕を発揮します。1970年代から展開を始めた「ザ・コンランショップ」におけるセレクトショップの概念は、日本を含む世界のデザイン市場を激変させました。家具などのプロダクト開発、廃れていたロンドンの倉庫街を一新させた都市の再開発、書籍の出版など、関わった事業は多岐にわたります。1950年代からレストラン事業にも乗り出し、高級レストランからカジュアルなカフェまで50店舗以上を手がけ、モダン・ブリティッシュと称される新しい料理スタイルをイギリスの食文化に定着させました。
イギリスファンの筆者も東京丸の内のショップがオープンすると、早々出かけて雑貨を買い、ロンドンではコンランが経営するレストランで食事と雰囲気を堪能しました。シンプルでありながら品格を漂わせるつくりは、日本の日常の生活空間に持ち込んでもすぐに馴染みます。コンランのスタイルは、流行り廃りがなく、永遠のものでしょう。
本展は、パターン・デザインした食器やテキスタイルなどの初期プロダクト、家具デザインのためのマケット、ショップやレストランのためのアイテム、発想の源でもあった愛用品、著書、写真、映像など300点以上の作品や資料に加え、彼から影響を受けた人々のインタビューを交えながらさまざまなコンラン像を浮かび上がらせます。
東京ステーションギャラリー
2024年10月12日(土) – 2025年1月5日(日)休館日月曜日(ただし10/14、11/4、12/23は開館)、10/15(火)、11/5(火)、12/29(日)~1/1(水)開館時間10:00 – 18:00
※金曜日は20:00まで開館
※入館は閉館30分前まで
水辺で遊ぶ鳥を描いたシルバーブローチ&ピアスセット。1881年頃イギリスで制作されたものです。どことなく、東洋のイメージがありますが、当時、ヨーロッパではジャポニスムが流行していたので、その影響が少しあるかもしれません。シルバースミス(銀職人)がコツコツとタガネを使って彫ったのでしょう。同じ模様でも微妙に違います。オンラインショップはこちら。
ダイアナ妃のポートレートを冠した小物入れ。制作したのは王室などに陶磁器類を納め、多くの人に惜しまれながら2012年、140年間の歴史を閉じた陶器店CHURCH’S CHINA。コレクターズアイテムとして人気があります。オンラインショップはこちら。