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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

No.145 「プラチナ・ジュビリー」はまだ続く!エリザベス女王のジュエリー&衣裳展、イギリスの3つの宮殿で開催中

BJI ブログ No.145

ブログNo.129で、サザビーズが「プラチナジュビリー」を祝し、5月28日(土)から6月15日(水)までニュー・ボンド・ストリートのショールームで英王室・貴族由来のティアラを一般公開したニュースをご紹介しましたが、この夏、なんと、バッキンガム宮殿、ウィンザー城、エディンバラのホリールード宮殿の3カ所で女王が所有するジュエリーコレクションや衣装が展示されています。

それぞれ、女王の70年に及ぶ在位期間中に起きた歴史的な出来事も盛り込まれた感慨深い内容となっています。

特にバッキンガム宮殿のジュエリー、題して「Platinum Jubilee: The Queen’s Accession(プラチナジュビリー:女王の即位)」は、ステートルームに女王の宝石と女王が即位当初や治世初期に実際着用していた時のポートレートを組み合わせるというスタイルが評判となっています。

ポートレートの撮影者は、ドロシー・フランシス・エディス・ワイルディング(1893-1976年)。ロンドンとニューヨークで活躍したイギリス出身のポートレートフォトグラファーです。彼女は1920年代から英国王室の仕事をスタートし、生涯にわたり、エリザベス女王を即位の頃から撮影してきました。硬貨や切手に描かれている女王のポートレートは彼女によるもので、まさに女王の肖像画の象徴です。そういう意味でも興味深い展示会と言えるのではないでしょうか。

ジュエリーでまず取り上げたいのは、ガールズ・オブ・グレート・ブリテン&アイルランド・ティアラ。

もともとは1893年、エリザベス女王の祖母であるメアリー王妃の女官が王妃に結婚祝いとして贈ったもので、その後、1947年にエリザベス女王への結婚祝いとして受け継がれました。

エリザベス女王は結婚式当日は身につけていなかったものの、お気に入りのティアラで日常的に愛用。英国と英連邦の紙幣や硬貨にこのティアラをつけている場面が何度も見られ、彼女のコレクションの中で最も象徴的な宝石の1つとなっています。ティアラはフレームから外してネックレスとしても着用できるようにデザインされています。

次に紹介したいのが、1820年にジョージ4世のために作られた王冠、ダイヤモンド・ダイアデム。

戴冠式と議会の開会に行列で、女王と夫のエディンバラ公によって着用されます。エリザベス女王は1953年に、ウェストミンスター寺院での自身の戴冠式に向かう際に着用していました。

透かし彫りのフレームにダイヤモンドとフロント クロスの内側に淡い黄色のダイヤモンドがセット、その下にはパールとダイヤモンドが帯状にぐるりと取り囲んでいます。セッティングされたダイヤモンドは1,333個、パールは約170個使われています。これも硬貨、紙幣、郵便切手の中に着用した女王の姿が見られます。

他にも見逃せないジュエリーとして、
◎ウラジミールティアラ
1874年頃にサンクトペテルブルクのボーリンが制作したといわれています。

これは、ロマノフ王朝末期ロシアから逃亡したマリア パブロフナ大公妃のために作られたもので、ティアラはロシアから英国に密輸された際に破損し、大公妃の娘が1921年にメアリー女王に売却、1953年に女王の元に受け継がれました。1988年ガラードによってかなり修復されたティアラは、ペンダントのエメラルドを取り外したり、パールの代わりに使用したりできる珍しいものです。

◎デリー・ダーバー・ネックレス
メアリー女王の祖母であるケンブリッジ公爵夫人が元々所有していた9個のエメラルドと、これまでに発見された最大のダイヤモンドであるカリナン ダイヤモンドからカットされた 8.8 カラットのダイヤモンド ペンダントが組み込まれています。もともとは1911年に、ジョージ5世とメアリー王妃がインドの皇帝と皇后として即位することを祝う「デリー・ダーバー(戴冠式)」で、メアリー女王が着用するために作られたものだったということです。

◎ハイデラバード・ニザム ネックレス
インド・デカン地方、ニザム王国を支配していた王からの結婚祝いのネックレス。当時はまだ王女だった女王が自分で贈り物を選べるようにカルティエ ロンドンに依頼したもので、プラチナ ネックレスには 300個のダイヤモンドがセッティングされていて、1953年から1971年までの郵便切手に使用されています。

他にもさほど高価なものではありませんが、エリザベス女王が11歳の頃、両親の戴冠式のために作られた金のコロネットをはじめ、18歳の誕生日に父親から贈られたサファイアとダイヤモンドのカルティエブレスレット、19世紀後半のメアリー女王のブレスレットや、女王21歳の誕生日に南アフリカ政府と連邦から贈られた21個のブリリアントカット ダイヤモンドネックレス(のちに6個の石が取り除かれ、ブレスレットに改作)も展示されています。

7月22日(金)からスタートしたこの展示会は、10月2日(日)まで開催しています。

ウィンザー城では、7月7日(木)から9月26日(月)まで『プラチナジュビリー:女王の戴冠式(Platinum Jubilee: The Queen’s Coronation)』をテーマに、エリザベス女王が戴冠式で着用したドレスとローブ、ブローチを展示、ホリールード宮殿では、7月3日(日)から9月25日(日)まで女王が今までのジュビリーのセレモニーで実際に着用した衣装が披露されます。

残念ながらこの状況下では実物を見ることはかなわないのですが、サイトで女王のジュエリー画像をチェック、優雅な気分に浸ってみてはいかがでしょうか。

バッキンガム宮殿
https://www.rct.uk/collection/themes/exhibitions/platinum-jubilee-the-queens-accession/buckingham-palace/platinum-jubilee-the-queens-accession/exhibition

ウィンザー城
https://www.rct.uk/collection/themes/exhibitions/platinum-jubilee-the-queens-coronation/windsor-castle/platinum-jubilee-the-queens-coronation/exhibition

ホリールード宮殿
https://www.rct.uk/collection/themes/exhibitions/platinum-jubilee-display/palace-of-holyroodhouse/exhibition

Top画像出典:www.rct.uk/

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