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ブランドジュエリーオリジナルの特集記事です。

「第12回 SUWAアンカットダイヤモンド ジュエリーコンテスト2021」。ダイヤモンドの原点の美しさを引き出すデザインの可能性

Written by Brand Jewelry

人の手を借りずとも、大自然から発掘されたままの状態でも美しいアンカットダイヤモンドとは? その石の魅力を最大限に引き出すために考えられた176応募作品。今年の最優秀賞、優秀賞をご紹介します。


日本におけるダイヤモンド業のパイオニア諏訪貿易株式会社が主催する「第12回 SUWAアンカットダイヤモンド ジュエリーコンテスト2021」が今年も4月に応募が始まり、9月に審査結果が発表されました。

当コンテストのテーマは、研磨されていないダイヤモンド「アンカットダイヤモンド」の魅力を引き出すデザインが審査対象となります。諏訪貿易が事前に準備したダイヤモンドはアンゴラ産の正八面体(1.21ct)、ロシア産の不定形(2.39ct)、ロシア産の三角形(0.90ct)の3点。どれもダイヤモンドの原点である強い引力を備えています。研磨されていないダイヤモンドをコンテストのテーマとするのは世界でも例がなく、極めてユニークなコンテストだと思います。

ダイヤモンドの魅力を表現する場合、多くは「輝き」を取り上げますが、ダイヤモンドが研磨できる石であることがわかったのは14世紀末頃だと言われます。ヨーロッパでテーブルカット、ローズカットなどが生まれ、その発展系として今よく使用される58面体のブリリアントカットが誕生したのが20世紀初め頃です。そのため、現在博物館や専門店などで展示されている100年以上も前に製作されたダイヤモンドジュエリーの輝きは鈍く、透明感もありません。それでも昔の人たちは、ダイヤモンドを最上の宝石としました。なぜでしょうか?

ダイヤモンドの語源「adamas」は「何者にも征服されない」という意味がありますが、ヨーロッパでは研磨すると石の力が失われると考える人が多く、研磨技術が生まれた後も原石のままで身につけることが好まれたと言われます。宝石は古来、守護石としての意味合いがありますが、昔の人はとくにダイヤモンドの強さに惹かれたのでしょう。

「アンカットダイヤモンド」はダイヤモンドの魅力の原点を振り返るものであり、多様性や個性が美しさの一つの要素として重視される現代において、輝きや透明感とは別の選択肢と言えるでしょう。

独創的な176作品。3次審査で選ばれた最優秀賞・優秀賞

今回は176点の応募作品があり、その中から一次、二次、最終の3回の審査を経て、最優秀賞1作品、優秀賞2作品、プレス奨励賞2作品、佳作が9作品が選出されました。最優秀賞に輝いた山岡瑞葵(ヤマオカミズキ)さんの「to A New Day」は八正面体の石を地球に見立て、360度回転する構造により、石の魅力をいろいろな角度から楽しめるペンダントです。優秀賞の1つである小田原集子(オダワラツドイ)さんの「ROCK時々 休符」は、作者にとって欠かせない音楽と休息をテーマにしたピアス。アンカットダイヤモンドのゴツゴツとした形となだらかなゴールドの細工の対比が印象に残る作品です。もう1つの優秀賞、名取絵美(ナトリエミ)さんのリング「共生」は三角形の結晶の力強さを強調しつつ、ディテールが細やかにデザインされています。

古代人やヨーロッパ中世の人々が想像しえなかった現代の「アンカットダイヤモンド」ジュエリー。その他、プレス奨励賞2作品、佳作9賞をはじめ優れたデザインは、SUWAの特設サイトで見ることができます。

小田原 集子(オダワラ ツドイ) さん 作品タイトル【ROCK 時々 休符】
名取 絵美(ナトリ エミ)さん 作品タイトル【共生】

トップ画像:山岡 瑞葵(ヤマオカ ミズキ)さん 作品タイトル【to A New Day】

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