No.177 ドイツ・フォルツハイム ジュエリーミュージアム、ヨーロッパの伝統技法によって制作された作品展
BJI ブログ No.177
ドイツ・フォルツハイム ジュエリーミュージアムでは、2022年11月25日~2023年1月22日、「フォルツハイム再来」展を開催しています。過去12年間に奨学金プログラム、その名も「フォルツハイム再来」を受けたフォルツハイム大学ジュエリーデザインコースの卒業生たちによる作品展です。
展示会は、フォルツハイム大学ジュエリーデザインコース、フォルツハイム技術博物館、ドイツ技術博物館財団のコラボレーションによって実現しました。ドイツの大手貴金属加工会社、C. ハフナー社が多くの部分でサポートしています。工場生産によるジュエリーやデザインの一部は、2015年のユネスコのドイツ委員会による無形文化遺産にも登録されています。
C. ハフナー社は、1850年ドイツ・フォルツハイムで、清掃業者だったカール ・ハフナーが創業。当時、フォルツハイムが世界屈指の宝飾品や時計製造の中心地であったことに目をつけたハフナーは、宝飾品や時計から廃棄される貴金属のゴミを再利用する事業を立ち上げました。現在では創業以来培ってきたノウハウを駆使し、歯科やその他の産業貴金属の処理も行っています。
さらに抽出された貴金属から、インゴット(ゴールドバー)や宝飾品や時計の半製品、パーツ、はんだの製造、工業用の3D金属印刷に使用する金、銀、プラチナ、パラジウムなどのパウダー加工など、ヨーロッパにおける貴金属技術のエキスパートとして今日に至っています。
貴金属の加工というと、金属部分を鏡のように磨き上げ光沢をもたせる「鏡面仕上げ」をイメージしますが、今回の展示会では、一味違う伝統的な貴金属加工技術を使ったジュエリーが紹介されています。
たとえば、金属の表面に規則的な凸凹のデザインを付けたエンボス加工、金属の上下に真鍮などの板を挟んで強い力で圧縮することで形を作るプレス加工、高級時計の文字盤などに使われている市松模様「ダミエ」やピラミッドのような尖った鋲が規則的に並ぶ「クルー・ド・パリ」のようなギョーシェ彫りなど。
奨学金の支援を受けた卒業生たちは、ベルリンのドイツ技術博物館で3~6ヵ月集中してこうした貴重な伝統技術を学び、そこで得た知識を使ってさまざまな素材や技法を駆使してコンテンポラリージュエリーやオブジェを制作します。
今回の展示会の狙いは、作品を通して手仕事によるジュエリー制作技術を復活させ、活発化させていくことにあります。実際展示されている作品の中で特に目を引いたのは、ドイツ・キール出身で現在フォルツハイムで活動しているジュエリーデザイナー、フリーダ・ドルフによるギョーシェ彫りをアレンジしたペンダントトップ。元々時計の製造に携わっていたことから、ギョーシェ彫りは彼女の得意とするところ。 そのデザインは、日本人ならなじみの深い着物の柄や帯、小物を連想させます。
Top画像出典 : klimt02.net
イエローゴールドをベースにした華やかなデザイン。センターストーンは0.5ctアップ、周囲にダイヤをセットしました。0.5ctというサイズは1ctの半分ですが、身につけると想像以上に大きな印象です。周囲をサテライトのようにダイヤモンドで取り巻いているので、ますます強い輝きを実感できます。鑑定書付き¥198,000オンラインショップはこちら。
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