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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

No.11 日本の「金継ぎ技術」を取り込んだ海外のジュエリー

BJI ブログ No.11

骨董好きは別として、どの家にも一つあるものではありませんが、日本人なら誰もが知る「金継ぎ(きんつぎ)」。金継ぎとは、陶磁器などの割れやひびの部分に漆を塗って金粉を塗り修復させる技法。日本では縄文土器にその形跡が残っているそうです。割れたものを捨てず、修理して使う。それも金を使って、美しく仕上げるとは、今でいうサステナブルな暮らしの見本のよう。それに、美意識を持って修理した古代人の知恵には頭が下がります。そんな日本が誇る伝統技術を、海外のジュエラーが着目して取り入れるようになっています。

その一つが、キャンディみたいなカラーストーンを使ったポップなハイジュエリーでおなじみのポメラート。大ぶりのストーンに大胆な金のラインが印象的なカプセルコレクションを発表しました。金のラインは金継ぎを取り入れたもの。2019年ポメラートのクリエイティブディクター、ヴィンチェンツォ・カスタルドが来日した際、この技法の「壊れたものを直して丁寧に扱う、また傷跡をあえて金で装飾してそこに新たな美を再生させる」日本独特の美意識に共感。日本の伝統工芸技術とポメラートのクラフツマンシップが融合した、サステナブルで唯一無二のジュエリーを創り出しました。

通常なら廃棄される運命にある割れたストーンをポメラートのアトリエから日本へ発送、日本の金継ぎ師が各パーツを組み立て直し、そのつなぎ目に精製された漆を素早く正確に塗布、数週間乾燥させた後、丹念に漆の表面を研磨し、継ぎ目に金粉を蒔いてさらに乾燥、仕上げの磨きをかけるという工程を経てメインのストーンが完成します。それをさらにミラノ本社の熟練職人がひとつひとつ丁寧に金枠にセッティング。元は欠けたストーンをつなぎ合わせたものとはとても思えない完成度の高いジュエリーとなっています。

「サステナブル」というと人工ダイヤモンドをはじめとした合成宝石を使ったジュエリーが多い中、ポメラートの取り組みは新しいサステナブルの扉を開いたといえるのでは?

もう一つはアメリカ生まれのミラモア・ジュエリー。「The Kintsugi Collection」を展開しています。このコレクションのインスピレーションの源は、『人は誰でも、コンプレックスやトラウマ、 “壊れてしまった”ところをもっている。でも、それが「人間らしさ」をうむ。きずを隠して生きるのではなく、成長した自分として紡いでいく。……MILAMOREでは壊れたところもあえてデザインの一部として金でつなぎ、あなたが身に着けることで初めて完成するのです。」とのこと。

日本は元々、技術の国。日本の技術と美意識を使って、日本からも発信していきたいものですね。(C+I)

Photo:ポメラート

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