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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

No.126 「このエメラルド、ナチュラル?人工的に処理されているの?」

BJI ブログ No.126

5月の誕生石というと、思い浮かぶのがエメラルド。クレオパトラを始め、あの美しいグリーンの輝きは昔から多くの人々を魅了してきました。天然のエメラルドは、元々内部にキズのような内包物(インクルージョン)が多く見られるのが特徴。それを隠すために透明のオイルをしみこませ、亀裂を目立たなくすることで色を良くするという処理が行われています。この処理を行うことによって、内包物による割れを防ぎ耐久性を高める効果もあります。

こうした処理は一般的に広く行われているものでオイルによる「含侵処理」と呼ばれ、古代から行われていたようです。処理を行っていない天然で内包物の少ない(希少価値の高い)エメラルドの場合、宝石の鑑別書には「無処理」や「ノンオイル」と記載されます。「含侵処理」は、ほかにもターコイズ、ラピスラズリや珊瑚などの表面のざらつきをなくす目的でワックスによって処理されています。

実は、ほとんどの宝石でこうした処理は、ずいぶん以前から行われてきています。処理には上記の「含侵処理」のほかに以下のような処理があります。

加熱処理:
よく知られているのがルビーとサファイア。この2つの石は、「コランダム(酸化アルミニウムの結晶からなる鉱物)」で、加熱することで色の濃さを変えることができたり、色ムラをなくすことができます。またコランダムの中によく見られる斜めについたキズのように見える「シルクインクルージョン(針状の結晶)」を溶かして、透明度を高くすることも可能です。

漂白処理:
養殖真珠で一般的に行われている処理方法です。ほとんどの真珠はシミや汚れがついているため、それらを取り除くために「漂白」します。漂白すると本来の色味まで漂白されてしまうために、そのあと真珠層内部に染料を浸透させる調色(ちょうしょく)と言われる処理が行われます。*サンゴやカルセドニー、タイガーズアイ、クォーツも色を明るくするために漂白されることがあります。

「え?天然の宝石に人工的な処理が行われているの?」という疑問が起こるかもしれませんね。

上記の処理は人工的ではありますが、その石がもつ本来の美しさを引き出すために行われているもの。処理をされる石はキズだらけの価値のないものはもちろん却下、もともと透明度が高く美しい石に適用されます。こうした処理は「エンハンスメント」といいます。

一方、「トリートメント」という処理方法もありますが、こちらは天然宝石の性質に関係なく人工処理を施し、本来のあるものとは違うものに変えてしまうこと。放射線を当てることで宝石の色を変えたり、着色剤や染料などを使って色を付けることがそれにあたります。

たとえば、エメラルドに色つきのオイルを含浸させて本来もっている色とは違う色に変化させたり、ダイヤモンドの色を変えるために表面にコーティングをする、染料を用いてひすいやパールを全く違う色に染める処理などがそれにあたります。こうした処理は、鑑別書に「処理エメラルド」「処理サファイア」「染色ひすい」「染めパール」などと表記され、天然石とははっきり区別されます。

元来宝石は、原石を磨いていくことで価値が高まるもので、磨くという行為もまた人工的な処理と言えます。そこへ熱やオイルの処理をすることで、「より良いもの」「美しいもの」が作り上げられていくのです。

ジュエリーを購入するときはその点もしっかり確認して、納得のいくお買い物をしたいものですね。

Top画像:www.gemguide.com

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