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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

NO.239 手描きのジュエリーデザイン画が再び脚光を浴びる

「CGだ」「CADだ」とデジタル全盛の現代。ジュエリーの世界においても専用のCADが登場、さらに3Dプリンタで製造まで行うことが可能になってきています。デジタルのメリットは、手作業では難しい精巧なものを作ることができ、データとして保管しておくことができるので、製品のリピートやそれを元に改作がしやすいところと言えるでしょう。

その一方、ヨーロッパのハイジュエリーの世界では、グワッシュによる手描きのデザイン画がちょっとした話題となっています。グワッシュとは不透明な水彩絵の具を使った技法です。

イギリスのハートフォードシャー在住のフリーのジュエリーデザイナーで、グワッシュのイラストレーターのステイシア・パーカーさんは、鉛筆で輪郭を描き、縮尺に合わせて作品の詳細な絵を作成していきます。「制作にはかなり気を遣います。石は1つ1つカットがすべて違うし、色や風合いも同じものはひとつとしてないのですから」

元々はダイヤモンド金枠制作を行うプロとして、15年間のキャリアを持っていた彼女ですが、新型コロナウイルスのパンデミックが始まり、デザイン画の仕事へと転換しました。

彼女の作品の多くは完成したジュエリーを描いているもので、ジュエリーブランドはそれをプレスやマーケティング目的として使用しています。また、顧客もデザイン画を見せてもらうことによって、作品の製造過程を理解でき、完成したジュエリーと一緒にそれを受け取るのを楽しみにしています。

グワッシュでデザイン画を描くのは、CADに比べれば確かに時間がかかります。ただ近年、一部の大手ジュエリー ブランドでは、グワッシュの絵を広報に用いる傾向もあります。これは、この分野のフリーランスアーティストにとって、新たな見通しと付加価値が備わったといえます。

「デザインを仕上げる手描きのアートワークは、職人がジュエリーを制作する際、ビジュアル化するのにも役立っている」と語るのは、英王室御用達の宝石商、ガラードのクリエイティブディレクター、サラ・プレンティスさん。「手描きのデザインは今後も存続するでしょう。ジュエリーのデザインは芸術であり、その頂点なのです」。

宝石絵画のマスタークラスを指導している彼女は、「手描きのデザイン画は、CADの作業ツールにはない感性が加わる絵筆をフリーハンドで使うことによって、小さな魂を込めることができるのです」と言います。

スイスで開催される宝飾品の見本市ジェム ジュネーブでは、ここ2年間伝統的なジュエリーのレンダリング技術に焦点を当て、スイスの3つのジュエリー専門学校とグワッシュのコンテストを開催しています。

日本ではジュエリーというと、ハード面(実物)ばかりに目が行きがちですが、ヨーロッパではデザイン画も芸術の1つとして高く評価されているのだということがわかります。

デジタルの世界にどっぷりと漬かっている日常ですが、ジュエリーの世界ではアナログの魅力が見直されているようです。

画像出展元 : ft.com

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オリジナルポーチ。春から初夏にかけて、花々が咲き誇る風景。そこに、ブルートパーズやガーネット、さらに緑色の宝石を羽に散りばめたバタフライ。どこかにジュエリーをアクセントにしているのがこのポーチのデザインの特徴。両面とも同じプリントです。内側は柔らかなポリエステル。コスメ、ハンカチ、アクセサリーなど身の回りのものがたっぷり入り、人に見せたくなるポーチです。日本製。
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