BJI ブログ

ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

No.202 シュールで可愛いハイジュエリー。ブルガリ、LVなどでクリエイティブディレクターを務めた女性デザイナーの超個性的な作品

BJI ブログ No.202

ネットを見ていたら、ユニークで遊び心あふれるコンテンポラリージュエリーを見つけました。楽しそうに海の中を泳ぐクジラの海面上ではコーヒーカップが躍る、題して「不思議の国のクジラ」というシリーズの中のネックレス。

主役のペンダントトップはリバースインタリオという沈み彫り技法が使われていて、それを取り囲んださまざまな色のカラーサファイアのフレームが華やかです。チェーンネックレスにもキャンディカラーのサファイアが間隔を置いてセッティングされています。デコラティブでありながらトゥマッチな感じがしないのが不思議。どこか懐かしいようでいて、新鮮さも感じさせます。

このジュエリーを手掛けているのは、フランチェスカ・ヴィラ。彼女が生まれたのはイタリア北西部・リグーリア州。海岸線を西へと向かうとモナコ、南フランスに続く温暖な気候と風光明媚な土地です。作品作りの原点となっているのは、かつて船長として世界中を航海していた祖父が聞かせてくれた旅の思い出や祖母が語ってくれた古きよき時代のジュエリーへの郷愁。旅行好きの彼女が訪れた先々で体験したエピソードも作品のヒントになっています。

使用している素材は、19世紀の彫刻が施されたガラス、ボタン、カメオや、アンティークショップやフリーマーケットで入手したリバースインタリオなど。

中でも目を引くがリング。赤いラッカーの中国製アンティークボタンを使ったものや、セルロイド製のボタンを使ったもの、ヴィンテージビーズにダイヤモンドやルビーなどの貴石を合わせたもの。チープさはなく、とてもモダンな印象。アンティークのものを利用しながら完成度の高さを感じさせるのは、彼女の華々しいキャリアによるところもあるのでしょう。

かつてフランチェスカは、イタリアで最も有名な金細工職人のクリエイティブ ディレクターとして知られ、ブルガリ、ルイ・ヴィトン、ティファニー、ミキモトなどのデザインを手がけてきました。

「大量生産され世界的にブランド化された高級ジュエリーがあふれている現代、唯一無二のジュエリーを作りたい!」。そんな熱い思いを胸に2007年に独立、自身の名を冠したブランドを設立しました。

「不思議の国のクジラ」の作品に見られるリバースインタリオや18~19世紀イギリスを中心に流行したエセックスクリスタル(水晶彫刻と細密画で表現したもの)の技法を使った作品も多く発表しています。

フランチェスカは、「わずか13ミリの小さなカボションの中で独自の世界を描き、表現できるのが魅力。私はその中に物語を紡いでいるのです」と語ります。

インタリオ作品は、クジラが泳ぐ海面の上にサボテンが浮かんでいるネックレス、魚の上に鳥が立っているリングなど、とってもシュール。見ている人に想像力を掻き立てさせます。

「古いものや技法を利用して、新しくモダンなものへと昇華させる」という動きは以前からありますが、こんな発想はレア。

今後はこのブランドのように、唯一無二、ユニークでありながら完成度の高いものが求められていくのではないでしょうか。

トップ画像出典:www.forbes.com

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ホワイトゴールドのハートモチーフのペンダントトップ。蓋が開くロケットタイプで、中に小さな写真などを入れて身につけます。金細工に優れたイタリア製。¥132,000 オンラインショップはこちら。

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