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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

No.206 「カルティエと女性たち展 」。19世紀から現在までの作品が一堂に会する展覧会、香港で開催

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BJI ブログ No.206

2023年5月8日、日本でもマスク着用がついに解禁されました。まだ海外まで足を伸ばす方は少ないようですが、これから徐々にその数も増えていくことでしょう。まずは足慣らしにと近場を探していたところ、香港に目が留まりました。

西九龍文化地区にある香港故宮文化博物館で、2023年4月14日から8月14日の会期で、「カルティエと女性たち展」を開催しているというのです。この展覧会では、19世紀から現在までのカルティエのジュエリー、時計、貴重品、アーカイブ記録など約300点が展示されています。展覧会は4つのセレクションに分けられ、「女性」を主役に、彼女たちのアイコンやコレクターのレンズを通して、有名な (または悪名高い) 作品やモチーフについて語られる構成になっています。

傑出した作品として挙げられるのが、ナポレオン1世の弟の曾孫でフロイトとも交流のあった精神分析学者マリー・ボナパルトが、ギリシア大公と結婚の際に身に着けたオリーブのティアラ。ウィンザー公爵夫人が所有していたアメシストとトルコ石のビブネックレスやパンテールのブローチ。エリザベス・テイラーやグレース・ケリーなど往年のハリウッド女優たちが所有していたジュエリーも見逃せません。

さらに、香港という土地柄を意識した展示品にも注目。数々の香港映画で知られる女優、カリーナ・ラウやブリジット・リン、そして億万長者のカジノ王スタンリー・ホーの娘であるパンジー・ホー所有のジュエリー。

目にも鮮やかなヒスイを使ったネックレスや中国女性が描かれたピルケースなど、中国の芸術がカルティエのデザインスタイルに与えた影響を見ることができます。

カルティエ初の女性クリエイティブ ディレクター、ジャンヌ・トゥーサンへのオマージュのコーナーも必見。彼女は、1933年から1970年引退するまで、数々の独創的なジュエリーを発表してきました。彼女の代表作としてウィンザー侯爵夫人のパンテールブローチが頭に浮かぶ方が多いと思いますが、鳥をモチーフにしたジュエリーでメッセージを伝えたことでも知られています。

ジャンヌ・トゥーサンは、第2次世界大戦時ナチスドイツの占領下の中、「籠の中に閉じ込められた小鳥」を制作し、カルティエ本店のショーウィンドウに展示しました。その作品はドイツ軍に対するレジスタンス(抵抗)を意味するもので、彼女はドイツ軍に捉えられ、厳しく尋問されましたが、毅然とした態度を貫きました。その後、ドイツから解放された1944年、籠の中から出てきた「自由の鳥」のジュエリーを発表。多くのパリ市民の心に「自由」のメッセージとエールを送りました。今回の展示ではこの「自由の鳥」が鑑賞できます。

日本でも過去にカルティエ展は何度か開催されていますが、香港、それも2022年7月に完成したばかりの香港故宮文化博物館で「女性」や「アジア」を意識した展示となると見に行く価値があります。

博物館は9つのギャラリーに分かれていて、カルティエ展は第8ギャラリーで開催。同館は北京の故宮から集められた1,000点近い貴重な宝物も展示しているということ。他のギャラリーの展示室も見てみたいもの。

ポストコロナの初海外、「香港」で決まりそうです。

トップ画像出典:www.lifestyleasia.com

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