BJI ブログ

ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

ブラック・イン・ジュエリー

No.210 ジュエリーでも「ブラック・ライブズ・マター」が注目される。6月のラスベガスのジュエリーショーで作品発表

BJI ブログ No.210

2013年アメリカのアフリカ系アメリカ人コミュニティから始まった国際的な社会運動ブラック・ライブズ・マター。

2020年5月白人警官によって首を圧迫され死亡したアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんの事件がきっかけとなり、アメリカ全土からまたたく間に世界に広がったことはご存知の通り。その流れは宝石、時計業界にも起こりました。そして設立されたのが「ブラック・イン・ジュエリー連合(BIJC)」という組織です。

「ともに輝く」をモットーに、ネットワーク、教育、表現そして豊富な財源を通して、宝石、ジュエリー、時計業界における黒人のスペシャリストの地位向上を目的としています。

彼らの支援活動は多岐にわたっています。
ジュエリーデザイナーには、ビジネス教育、資金調達を行う。流通業者、製造業者、鉱山労働者、宝石ディーラーとの関係構築を支援。新進のデザイナーのための見習い制度、インターンシップ、指導制度の確立を目指しています。

企業および貿易団体には、採用の過程において多様性を重んじ、上級幹部以上の職に黒人のスペシャリストの代表を増やす。黒人従業員と非有色人種の従業員の間の賃金格差の縮小する。

広報では、話題が人種に関する場合だけでなく、黒人企業のスタッフやデザイナーを排除しないようにする。人気の黒人インフルエンサーとつながりその関係を深めていく。

小売りでは、褐色の肌にジュエリーがどのように見えるか写真を見せることを勧め、黒人と褐色の消費者に対し受け入れていく環境を作り出す。人気の黒人インフルエンサーやモデルとの関係を築く。実店舗のスタッフと幹部を対象とした差別禁止のトレーニングの実施する。

このような活動のためには、より多くの助成金の獲得しなくてはならず、トレードショーには黒人ジュエラーが展示会に参加するよう積極的に働きかけています。

BIJCの積極的な運動により、2023年6月2日~5日、ラスベガスで開催されたジュエリーショー、JCKに出展が叶いました。BIJCコレクティブというブース名で、6人の黒人が運営するブランドの高級ジュエリーと宝石のルースを展示。

デザイナーやメーカーは日本ではなじみがありませんが、多くの作品は洗練され、ポップな遊び心もあふれています。

その中で2つ、ちょっと気になったブランドを紹介しましょう。
ドリアン・ウェブ(Dorian Webb)は、カリフォルニアのオークランドに拠点をおき、作品には女性やアフリカ系アメリカンの文化を取り入れています。コニャッククォーツや深めの赤い色が魅力のローズクォーツ、アメシストなどのカラーストーンを使ったコレクションTime of Transitionは、褐色の肌に似合いそう。また大きな蝶をモチーフにしたコレクションは、ブラック・ライブズ・マターと名付けた迫力のあるブレスレットが印象的です。

シモーネ・スミス(Simone Smith)は、クリスタルやエナメルを使ったカラフルなロリポップ(ぺろぺろキャンディ)ペンダントが目に留まりました。このペンダントは、アメリカ癌協会との協力の下「A Sweet Touch of Hope」という名前で紹介されたもの。2004年シモーネ自身がステージ III の軟骨肉腫と診断され手術をした経験を元にイメージし制作したそうです。シモーネは今は健康を取り戻していますが、彼女の他のがん患者を救いたいという強い思いが込められています。どのジュエリーを購入しても、その収益の一部が米国癌協会に寄付されます。

ブラック・ライブズ・マターから社会貢献まで、ジュエリーを通してアメリカから世界に向けてメッセージがまたひとつ、発信されていきます。

トップ画像出典:www.instagram.com/blackinjewelrycoalition

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