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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

No.24 一般家庭、料理中に予想販売価格・数千万円「メロパール」を発見!

BJI ブログ No.24

パール、真珠といえば、アコヤ真珠、黒蝶真珠、白蝶真珠を思い浮かべると思いますが、「メロパール」という名前を聞いたことはありますか?

2021年3月27日付イギリスの大衆紙『デイリーミラー』のウェブサイト「Mirror(ミラー)」で、「無一文の女性、食事の中から高額なオレンジパールを発見!」で、その名が一躍脚光を浴びることになりました。

タイに住むコッチャコーン・タンティウィワトクル(Kodchakorn Tantiwiwatkul)さんは、地元の市場で70バーツ(約245円)の巻貝を購入、家族の夕食を作るために貝の身を細かく刻んでいたところ、ひとつの貝の中からオレンジ色の丸い玉を発見、石ころだと思っていました。それを彼女の母親に見せたところ、「これはメロパールで、すごい価値があるものなのよ。以前タイの漁師がメロパールを発見し、それを売って資産を作ったというテレビのニュースを一緒に見たでしょう?(その時の交渉金額は日本円でなんと約3600万円)」という話から、そのパールを調べたところ、重さ6g 直径1.5cmの希少性の高いメロパールであることがわかり、びっくり仰天。

コッチャコーンさんが貝を購入したのは2021年の1月30日だったのですが、市場で巻貝を売っていた人がメロパールの権利を主張してくるのを恐れ、家族以外の人には秘密にしていました。そして3か月が経った今、公にすることにしたのです。

その理由は、メロパールを高値で買い取ってくれる人を探すため。

コッチャコーンさん一家は、貧しいうえに、父親が事故に遭ったためその怪我の治療代とがんを患う母親の治療代で現在計100万バーツ(約350万円)以上のお金が必要なのだそう。

メロパールは、タイやミャンマー、ベトナム、カンボジアなどに生息するハルカゼヤシガイという巻貝から産出される真珠ですが、市場にあまり出回っていないため知名度も高くありません。というのも、アコヤ貝のような2枚貝と違い、現在の技術では巻貝から採取されるパールの養殖はまだ非常に困難。天然ものしか採取されず、それもジュエリーに使える高品質なものとなるとさらにレア度が上がります。オレンジ色から黄褐色、茶色のものまでありますが、オレンジ色が最も価値があるということです。

幸運のオレンジ、メロパールがコッチャコーンさん一家の一助になってくれることを願うばかりです。(C)

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TOP画像:MIKIMOTO


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