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No.212 合成ダイヤモンドの大きさをめぐり、インドのダイヤモンドメーカー2社が苛烈な競争

BJI ブログ No.212

「エシカル」として、ジュエリー業界の中で徐々にその地位を確立しつつある合成ダイヤモンド。最近では、その大きさや品質の高さもこだわって作られるようになってきました。特に重量(カラット)は、見た目にとてもわかりやすいことから注目されます。

一般にはあまり知られていませんが、ジュエリーになる合成ダイヤモンドの製造量や技術では、インドが世界一と言われます。英語圏であることから世界へ進出。アメリカにある合成ダイヤモンド会社もインド系列。日本でもそうです。

2023年6月2~5日アメリカ・ラスベガスで開催されたジュエリー見本市JCKラスベガスショーに出展したインドを拠点とした合成ダイヤモンドメーカー2社について、大きさが話題となっています。

1つ目は、ダイヤモンド研磨で知られるグジャラート州スーラトとニューヨークにオフィスを構えるマトリ・ラボグロウン・ダイヤモンド社(Maitri Lab-Grown Diamonds)の35カラットのダイヤモンド。サイズは、23.37 × 15.24 × 9.06mmのエメラルドカットです。ベルギー・アントワープにある国際宝石学研究所(International Gemological Institute/IGI)が鑑定し、カラーはH、クラリティはSI1 という等級が付けられました。

CVD(化学蒸着)と呼ばれる方法で約1,800時間(75日)かけて作られたということで、ラスベガスショー開幕前からネットニュースで取り上げられていました。

実は、その1か月前の5月初めに、ムンバイのダイヤモンドメーカー、イーサリアル・グリーン・ダイヤモンド社(Ethereal Green Diamond LLP)が製造したものが世界最大と、ニュースになったばかり。鑑定したのは米国宝石学会で、重さは34.59カラット、サイズは24.94 × 13.95 × 9.39mmのエメラルドカット。カラーはG、クラリティはVS2という鑑定結果が出ました。

品質面では少しばかり分が悪いとはいえ、マトリはイーサリアルより0.41カラット上回る世界で一番大きい合成ダイヤモンド! のはず…だったのですが、イーサリアルは、次の一手を打ってきました。

ラスベガスショーで、なんと、重さ50.25カラットの合成ダイヤモンドを発表したのです。このダイヤモンドは「シフラ」と呼ばれ、サイズは 22.95 x 18.45 x 11.57mmのエメラルドカット。やはり、CVDを使用し8カ月かけて作られました。鑑定したIGIは、カラーはG、クラリティはVS2という結果を出しました。カット、研磨、左右対称において完璧で、高い評価を受けています。

というわけで、ラスベガスショーでは大きさはもちろん、品質面でイーサリアルに軍配が上がりました。マトリのブースは8123番、イーサリアルは8135番。ブース番号も近く、お互いかなり意識していたのではないでしょうか。

これから先、合成ダイヤモンドの大きさの競い合いは、ますますヒートアップしていきそう。近い将来、高品質で100カラットなんて当たり前になってしまうのかもしれませんね。

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