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ブランドジュエリーオリジナルの特集記事です。

デルフィーヌ・シャルロット・パルモンティエ、秋冬の新作「コスミック・トリップ(宇宙の旅)」

Written by Watanabe Ikuko

心の奥に問いかけながら創作したのは「宇宙へ旅路」をイメージしたデザイン。


デルフィーヌ・シャルロット・パルモンティエはパリを拠点に活動する女性のコスチュームジュエリーデザイナー。かなりのアクセサリーマニアでなければ、アクセサリーデザイナーの名までは覚えていないかもしれませんが、デルフィーヌの名はパリのオートクチュールの世界では広く知れ渡っており、これまで数々のクチュリエのコスチュームジュエリーを手掛けてきました。依頼主の名を大きな声を出して言えないようですが、「C」という頭文字が付くブランドをしばらく担当しているとのこと。「トップブランドの仕事をすることは非常に神経を使うことだが、いろいろな難題をクリアしていくと会社の信用も付き、センスも技術も磨かれていく」とデルフィーヌの片腕の営業マンが話してくれました。

デルフィーヌとは10年程前、取材で会ったことがあります。それ以来、コロナ禍でも定期的に新作の案内をしてくれます。彼女のジュエリーはバイセクシャルな雰囲気があり、ダイナミックでビッグサイズのものが中心です。そんな作品を生み出している人とは思えないほど、本人はシャイで寡黙。そして耳に穴を開けることを嫌がり、イヤリングを愛用していることに当時、意外に思ったものです。(今はもしかしたら開けているかもしれません。)

ジュエリーデザイナーになったの祖父母の影響。祖父母がボタンやハイファッションのアクセサリーを制作していたのを子供の頃見ていて、そばで実験のように自分でもアクセサリーを作っていくうちに自然とこの世界に入ったそうです。彼女の大胆な発想はクチュリエの目に留まり、仕事が舞い込むようになりました。そして下請けの仕事で事業を軌道に乗せ、1993年自分の名前を冠したブランドを立ち上げました。

2020年秋から2021年冬にかけてのコレクションは、彼女の尊敬しているカール・ラガーフェルド、イヴ・サンローラン、バレンシアガへのオマージュでしたが、今回2022年秋冬は「宇宙の旅」と題し、心に呼びかける作品作りを目指したと言います。「宇宙の中で私達はちっぽけな塵でしかありません。このコレクションはそんなインスピレーションを与え、自分と自身を取り巻くものとの関係を考えるきっかけとなるでしょう」とデルフィーヌ。新作は、パンデミックの発生によって行動が制限され、自分を見つめる機会が増えたことにより内省的な発想になったのようです。国内ではH.P.FRANCE BIJOUXが販売しています。

Stellar Pulsation by Delphine-Charlotte Parmentier
Stellar Pulsation by Delphine-Charlotte Parmentier



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