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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

No.39シルバージュエリーには素材の価格では計り知れない魅力がある!

BJI ブログ No.39

同じ白でもホワイトゴールドやプラチナよりも手軽に買えるシルバージュエリー。でもちょっと値段が張ると、「シルバーだから」という理由で躊躇してしまう。それは、シルバー=安価なアクセサリーという先入観があるからではないでしょうか。ファッションのセレクトショップなどで販売されているものの中には薄く軽く、着用すると歪んだりするものもありますが、本物のシルバージュエリーはいつまでも購入した時の形状と美しさを保ちます。

古代、銀は金よりも希少で珍重され、貨幣として利用されました。中世の時代には、王侯貴族は銀食器を愛用しました。それは高級品であるという理由よりも銀の化学反応を起こす性質を利用し、毒殺が頻繁に行われていた当時、食器の色の異変によって毒の有無を判断したのです。現代では、毒殺事件は滅多に聞きませんが、シルバーカトラリーは今でも人気があります。エレガントな彫りの装飾や、持った時の重量感から温かみのある感触が手に伝わってきます。かつてヨーロッパでは、いつもピカピカに白く輝いているシルバーカトラリーや食器は、働き者の主婦やメイドの証でした。

銀が黒っぽくなるのは、空気中の硫化水素と化学反応を起こし、硫化し、銀の表面が皮膜で覆われるからです。むしろ年中つけているシルバーは表面に摩擦が加わり、黒ずみにくくなります。また現在、シルバージュエリーはロジウム加工を施したものが多く、変色については心配しなくても大丈夫です。とはいえ、民族的なジュエリーや銀の経年変化を持ち味としたジュエリーもありますので、購入時にはお店で仕上げについて質問するといいでしょう。

ロジウム加工がされていないシルバーにはお手入れが必要です。シルバーケア製品はいろいろ市販されていますが、私が使用しているのはジュエリーには液体状の「スピーディップ」(900円位)、プレート用にはクレンザータイプ。毎日使うものではないので、1つ買うと10年くらい持ちます。古くなっても効果は変わりません。ジュエリーのお手入れでは、パールや宝石に薬品が付かないように慎重に。また液体タイプは変色を引き起こすのでステンレスなどに飛び散らないように気をつけなくてはいけません。

ところで5月、ジュエリーデザイナー髙橋まき子さんにオンラインでインタビューし、その録画を配信していますので、チェックしてみてくださいね。今回のインタビューは髙橋さんのシルバージュエリーコレクション「ドラマティック・サーフェス」についてでしたが、髙橋さんはこれ以外に多数のコレクションを展開しています。デザイナーとしての経歴が長く、株式会社三貴のチーフデザイナーとして活躍され、会社で自分のブランドを立ち上げてもらったと言います。ダイヤモンドの最大手デビアスの「デビアス・ダイヤモンド・インターナショナル賞」では4回受賞し、栄誉あるアカデミー会員に初めて日本の女性として認定されました。

そんな実績のある髙橋さんのシルバージュエリーは、デザイン、クオリティにおいて、完全にファインジュエリーの領域です。美しく滑らかなシルバーのフォルムにはロジウム加工が施され、エッジにはダイヤモンドが一列に輝いています。特徴的なのはシルバーに10%のプラチナを配合し、強度を高めている点です。メレダイヤがだれることなく、きちんと留まっています。

19世紀前半プラチナがジュエリーに使われるようになりましたが、それ以前のダイヤモンドは金や銀の台座にセットされていました。18世紀以前のアンティークのダイヤモンド・シルバージュエリーを見る機会があったら、留め方を見てください。ダイヤモンドが落ちないように銀をたっぷり使い、覆輪という方式で留めています。

「ドラマティック・サーフェス」はシルバーにプラチナを配合することで軽量で強度が高く、ジュエリーとしての価値がグレードアップされています。昔の女性は活動的であるよりも静止していることが美徳とされ、重量のある大きなジュエリーを身につけ静かにしていましたが、現代の女性は一日中、動いているのでジュエリーも軽やかで耐久性のあるものでなくてはいけません。「ドラマティック・サーフェス」は、そんな現代のアクティブに働く女性にぴったりのシルバージュエリーです。(I)

「ドラマティック・サーフェス」ブランドジュエリーオンラインショップで扱っています。
MAKIKO TAKAHASHI COLLECTIONはこちら。

トップ画像:MAKIKO TAKAHASHI COLLECTION


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