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天然真珠は完全に自然が生み出す真珠のこと

天然真珠の魅力は、色も形も不揃いで、美しさがそれぞれ違うところです。丸い珠が生まれる確率は極めて少なく、天然真珠だけで連のネックレスを制作するのはかなり無理な話。ジュエリーデザインは、真珠ひとつひとつの持ち味を生かすことがポイントとなります。


数億円の価格が付いた天然真珠

普段目にしている真珠の大半は養殖真珠です。自然の偶然が重なって生まれる天然の真珠は、大変希少でそれを専門に扱っている宝石店でなければ、まず見ることができません。単純な比較は難しいかもしれませんが、大きくレアな色のカラーダイヤモンドと同じくらい珍しいと思っていいでしょう。ですから、本当にきれいで大粒の天然真珠は、世界の有名オークションに出品されると、予想を大幅に超える落札価格で話題になります。例えば2015年5月、ジュネーヴのクリスティーズ・オークションに登場した19世紀の天然真珠のネックレスは、4億7千万円以上で落札されています。7.8mmから11.1mmの真っ白な海水真珠が連なる44cmのグラデーションタイプ、クラスプに大粒のダイヤモンドが付いていますが、驚くべき価格です。

天然真珠だからといってすべてが高く評価されるわけではありません。美しい光沢や色や形を備えたものに限られます。クリスティーズに出品された天然真珠は、濁りのない白とテリに加えて、真円に近いところが高値になったのでしょう。

数は少ないですが、今日でも天然真珠は採取されています。人気の種類をご紹介しましょう。

最も人気があるのはほんのりと柔らかなピンク色が特徴のコンクパールです。希少ですが、指名買いされるほど好きな人が多いので、天然真珠の中では比較的多く、真珠専門店などで扱われています。フェザーパールやアバロンパールも人気があります。数は少なく、コンクパールよりさらにレアと言ってもいいかもしれません。いずれも真円の真珠ではなく変形で、さまざまな色が溶け込んだニュアンスのあるカラーが人を魅了します。

天然真珠は養殖真珠と区別するために必ず鑑別書が付きます。天然真珠は減少の一途ですから、希少性も上がり、代々引き継いでいくこともできる宝石と言えるでしょう。

TOP画像に掲載のブローチの鑑別書。鑑別機関によってフォーマットは違います。天然真珠を購入する時は、必ず鑑別書をもらいましょう。

天然淡水真珠フェザーパールを葉のモチーフにあしらったコレクション。垂れ下がる藤のようなデザインが素敵です。K18WG・フェザーパール・ダイヤモンド。ネックレス、ピアス。(Kinoshita Pearl)

TOP画像: 天然淡水真珠フェザーパールの形を用いてマーガレットをかたどったブローチ。直径約5.2cm。K18WG・フェザーパール・ダイヤモンド。(Kinoshita Pearl)

Brand Jewelry『Pearl』より抜粋 *当サイトの情報を転載、複製、改変等は禁止します

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