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NO.224 ティファニー、カルティエ、エルメス……。今、ハイブランドに選ばれるアルメニアで加工されたダイヤモンド

BJI ブログ No.224

アルメニアは、北はジョージア(旧グルジア)、東はアゼルバイジャン、南はイラン、西はトルコに取り囲まれた人口300万人に満たない小国。すぐに国をイメージできる日本人は少ないかと思いますが、旧ソ連独立後、アルメニアと日本は友好なパートナーシップを築いています。

アルメニアは、実は鉱物資源が豊富な国です。自動車産業をはじめ、あらゆる産業に不可欠なモリブデン鉱や銅鉱のほか、金や銀の貴金属類が経済を支え、ダイヤモンド加工でも世界的に知られています。アルメニアには50以上のダイヤモンド加工会社があり、推定約3,000〜4,000人が従事しているということです。

2023年6月29日付のアルメニアの国営通信社 アーメンプレスは、「アルメニアではダイヤモンド産業が急成長しており、インドのダイヤモンド業者などがアルメニア国内に工場を開設中」と述べています。さらに「宝石、貴金属、関連製品の輸出額は、5億861万2千USドル(約721億円)で、前年度同期比で3.9%増加しています」と発表しています。

アルメニア経済省によれば、ダイヤモンドと宝飾品の輸出が好調。2022年7月にアルメニアで登録されたインドのダイヤモンド会社VDAは、1年後の今年7月に生産を開始。その際VDAは、アルメニアの都市に1,000万ドルの投資も行ったということです。また、アルメニアのダイヤモンド会社ADMは革新的な技術の開発に積極的で、ファンシーカットダイヤモンドの製造ではリーダー格となっています。

輸出先のクライアントは、名門ブランドです。例えば、ティファニー、カルティエ、パテック・フィリップ、エルメスなど。アルメニアでカットされたダイヤモンドを購入しているそうです。

企業努力の成果が国を動かし、現在、宝飾品とダイヤモンドの生産は、アルメニア政府の産業開発の主要分野のリストに組み込まれました。

アルメニアを飛び出し、世界中に散らばっている「アルメニア・ディアスポラ(民族離散)」と呼ばれる人たちの存在も無視できません。中でもダイヤモンド産業に関わっている人たちの多くは、ダイヤモンド商取引で有名なベルギー・アントワープのダイヤモンド地区に拠点を置いています。アントワープでダイヤモンドビジネスを行っているのは、ユダヤ人だけではないということ。

ベルギーの会社がラフカットのダイヤモンドを供給し、アルメニアの工場で処理。その後、国際市場へ流通していくシステムが出来上がっています。

西欧、東欧という垣根を乗り越えて往来するダイヤモンド。アルメニアは、その中継地点の役割を果たしていると言えますね。


画像出展元 : armenpress.am

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ハートシェイプのパパラチアサファイアをセンターに配し、両脇にピンクサファイアとダイヤモンドが連なるリング。BJIのオリジナルリング。
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