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1920年代のパリで、才能を開花させた女性たち。展覧会「マリー・ローランサンとモード」が、2023年2月14日(火)~4月9日(日)まで東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催

Written by Machida Akemi

自由に生き、独自のスタイルを貫いた2人の女性、マリー・ローランサンとココ・シャネルを軸に、2つの世界大戦に挟まれた1920年代のパリの芸術界を紹介。


変化の激しい今の世の中で不安になることもありますが、そんな時は時代の転換期の中、情熱と信念で道を切り開いていった女性たちの生き方やクリエイションからパワーをもらいましょう!

展覧会「マリー・ローランサンとモード」が、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで2023年2月14日(火)~4月9日(日)まで開催されます。

マリー・ローランサン 《ニコル・グルーと二人の娘、ブノワットとマリオン》 1922年 
油彩/キャンヴァス マリー・ローランサン美術館 © Musée Marie Laurencin

1920年代のパリは、狂乱の時代(レ・ザネ・フォル)と呼ばれ、芸術と文化が花開いた時代。女性たちの社会進出が進んだ時代でもあり、中でもマリー・ローランサンとココ・シャネルは、大戦後の自由な時代に生きた女性の代表とも言えます。

2人とも生まれは1883年。絵画において女性的な優美なフォルムをひたすら追求したマリー・ローランサンと、動きやすいジャージー素材を初めてファッションに取り入れたココ・シャネルは、異なる分野に身を置きながら、互いに独自のスタイルを確立していきます。

マリー・ローランサン 《ヴァランティーヌ・テシエの肖像》 1933年 油彩/キャンヴァス ポーラ美術館

本展では、美術とファッションの境界を交差するように生きた2人の活躍を軸に、ポール・ポワレ、ジャン・コクトー、マン・レイ、マドレーヌ・ヴィオネなど時代を彩った人々との関係にも触れながら、第一次世界大戦終了から第二次世界大戦が始まる前のモダンとクラシックが絶妙に融合したパリの芸術界を紹介。パリにあるオランジュリー美術館やマリー・ローランサン美術館など国内外のコレクションから、約90点が公開されます。

マリー・ローランサンは、20世紀を代表する女性画家で、日本においても幅広い層に支持され今も多くのファンに愛されています。パリで生まれ、母子家庭で育った彼女は、絵画学校でキュビスムの創始者の1人であるジョルジュ・ブラックと出会い、キュビスムの影響を受けます。のちにモンマルトルの洗濯船という集合アトリエで、ピカソに出会います。

左/ガブリエル・シャネル 《帽子》 1910年代 神戸ファッション美術館 
右/ガブリエル・シャネル 《デイ・ドレス》 1927年頃 神戸ファッション美術館

1920年代に入ると淡いパステルカラーで儚さを表現した女性像が人気となり、パリの上流階級の間では、マリー・ローランサンに自画像を描いてもらうことが流行しました。

1920年代のパリを象徴するキーワードと言えば「越境」です。2つの意味があり、1つには国境を超えてパリに人が集まってくること。スペインからピカソ、アメリカからカメラマンのマン・レイなど世界中からパリに若者が集まり、その才能を開花させました。

2つ目は、ジャンルを超えること。美術、音楽、文学、ファッションなどがジャンルを超えて交流し、新たな総合的芸術が生まれました。代表的なものの1つは、セルゲイ・ディアギレフ率いる、ロシア・バレエ「バレエ・リュス」です。その活動にローランサンとシャネルも加わることで、表現の幅が広がり新たな人脈が作られていきました。バレエ『牝鹿』では、ローランサンの絵画に触発されたニジンスカが振付、プーランクが作曲、ローランサンは舞台装置と衣裳を担当しました。

シャネルの軌跡と1910年から1930年代頃のファッション史を辿るブースも必見。女性の社会進出が進んだ1920年代には、短くカットした髪型にバストやウエストを強調しないストレートなドレスを身にまとったモダンガールが街を闊歩するようになります。

1910年代のポール・ポワレによるエキゾチックなロングドレスから、1920年代のシャネルの黒一色のシンプルなシルエットの「リトル・ブラック・ドレス」、1930年代の復古調のマドレーヌ・ヴィオネによるロングドレスなど、時代とともに変わっていくファッションを辿ります。


マリー・ローランサンとモード
会期:2023年2月14日(火)~4月9日(日)

会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
休館日:3月7日(火)
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで) 毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
*状況により、会期・開館時間が変更となる場合があります。

入館料:当日 一般 1,900円、大学・高校生 1,000円、中学・小学生 700円、未就学児は入館無料
本展は会期中すべての日程で【オンラインによる事前予約】が可能です。ご予約なしでもご入場いただけますが、混雑時にはお待ちいただく場合がございます。

予約方法等の詳細はBunkamura ザ・ミュージアムHPにてご確認ください。
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/23_laurencin/
お問い合わせ TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)

TOP画像:マリー・ローランサン 《羽根飾りの帽子の女、あるいはティリア、あるいはタニア》 1924年 油彩/キャンヴァス マリー・ローランサン美術館 © Musée Marie Laurencin

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