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「モードの帝王」の大回顧展「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」東京・国立新美術館にて、2023年9月20日(水)~12月11日(月)開催

Written by Machida Akemi

日本初公開のドレスなど約300点を一挙公開。女性のワードローブに変革をもたらした、イヴ・サンローランの豪華絢爛な美の世界をお見逃しなく!


イヴ・サンローランというデザイナーは知っているけど、どんな洋服を作った人なのか、についてはよく知らないという方もいるのでは?

性別の枠にとらわれないジェンダーレスファッションが浸透しつつある今ですが、イヴ・サンローランは約60年も前から男性のものという意識が強かったパンツスタイルやサファリ・ルックなどを女性向けに改良し、女性たちのワードローブとして定着させました。

「モードの帝王」と言われたイヴ・サンローランの展覧会、「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」が、東京・六本木の国立新美術館にて、2023年9月20日(水)~12月11日(月)まで開催されます。本展はイヴ・サンローラン美術館パリの全面協力を得て、没後初めて日本で行われる大回顧展です。

クリスチャン・ディオールでのデビューから、自身のブランドを立ち上げて初のコレクションを成功させ、独自のスタイルを確立するまでの40年に渡る歴史を、ルック110体のほか、アクセサリー、ドローイング、写真を含む約300点による展示で紹介します。

イヴ・サンローランは、1936年、北アフリカのフランス領だったアルジェリアで生まれます。幼い頃から絵を描くのが好きだったという彼は、17歳でパリに移住し、パリクチュール組合学校でファッションを学び、クリスチャン・ディオール亡き後、21歳という若さでディオールの主任デザイナーに抜擢されます。

1961年には実業家で恋人のピエール・ベルジェと自身のメゾン「イヴ・サンローラン」を設立。革新的なファッションで20世紀を代表するファッションデザイナーに昇りつめます。

幾何学的な模様のモンドリアン・ルックがブームに

イヴ・サンローランと言えば、アートとファッションを融合させた作品が有名です。今ではよく見かけるファッションとアートのコラボレーションですが、それを最初に取り入れたのもイヴ・サンローランでした。

よく知られているのは、オランダの画家、ピート・モンドリアンの代表作から着想を得たモンドリアン・ルック。黒の直線で分割された四角形に赤や青や黄色を配置した幾何学的な模様のワンピースは、一大ブームを巻き起こしました。本展では、ゴッホへのオマージュ作品、繊細な刺繍が美しいイヴニング・アンサンブルのジャケットも展示されます。

タキシードなどの紳士服を女性向けに改良したことでも注目を集めます。当時、女性解放運動が盛んだった時代とも重なり、女性用にアレンジされたサファリ・ルックやトレンチコートのスタイルは、社会に進出する女性たちに夢と自信を与えました。

左:ボーティング・アンサンブル ファースト・ピーコート 1962年春夏オートクチュールコレクション  © Yves Saint Laurent © Alexandre Guirkinger 中:ファースト・サファリ・ジャケット 1968年春夏オートクチュールコレクション © Yves Saint Laurent © Sophie Carre 右:「品行方正」シャツ・ドレス イヴ・サンローランによるクリスチャン・ディオールの 1958年春夏「トラペーズ・ライン」オートクチュールコレクション © Yves Saint Laurent © Alexandre Guirkinger

「アクセサリーは衣服を、そして女性を変容させる」と語ったイヴ・サンローラン

1966年には、「イヴ・サンローラン・リヴ・ゴーシュ」というプレタポルテのブティックをオープンします。「リヴ・ゴーシュ」はフランス語で左岸という意味ですが、当時オートクチュールの店舗が建ち並ぶ右岸とは反対側の左岸に出店しました。

それまでファッションとは上流階級の人が注文するオートクチュールが主流でしたが、プレタポルテをスタートさせたことで、一般の人にもイヴ・サンローランのファッションが広がります。他にも、演劇やバレエといった舞台芸術も数多く制作。カトリーヌ・ドヌーヴ主演の映画『昼顔』で、彼女が着用したドレスも展示されます。

「アクセサリーは衣服を、そして女性を変容させる」と語っていたイヴ・サンローラン。彼のスタイルにとって重要な要素だったジュエリーの展示もあります。ゴールドメタルやシルバーに、ラインストーンやビーズなどを組み合わせたフェミニンなデザインのネックレスやブローチは必見です。

イヴ・サンローランのデザイナーとしての人生を辿りながら、豪華絢爛なクリエイションの数々を楽しめる貴重な展覧会。イヴ・サンローランの過去の作品はインターネットなどで探せますが、ネットの画面では得られない新たな発見がありそうです。

左:アンサンブル 1989年春夏オートクチュールコレクション © Yves Saint Laurent © Alexandre Guirkinger 右:ジャケット 1977年に行われたジジ・ジャンメールのショー 『ローラン・プティのショーに登場するジジ』のためのデザイン © Yves Saint Laurent © Sophie Carre


イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル Yves Saint Laurent,Across the style

会期 : 2023年9月20日(水)~12月11日(月) 毎週火曜日休館
会場 : 国立新美術館 企画展示室1E
開館時間 : 10:00~18:00 ※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで
観覧料 : 一般2,300円 大学生1,500円 高校生900円 ※中学生以下は入場無料
料金等の詳細は公式ホームページでご確認ください。
https://ysl2023.jp
お問い合わせ TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)

TOP画像:カクテル・ドレス―ピート・モンドリアンへのオマージュ 1965年秋冬オートクチュールコレクション © Yves Saint Laurent © Alexandre Guirkinger 

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