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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

No.215 ダリがデザインしたヒトデのブローチ、約1億3900万円で落札される

BJI ブログ No.215

スペインが生んだシュールレアリズムの巨匠、サルバドール・ダリ(1904年-1989年)。溶けて柔らかくなった時計を描いた「記憶の固執」という絵画がよく知られていますが、他にも彫刻、映画制作、ジュエリーデザインを手掛けています。

ダリがデザイン画を描き、使用する宝石、カット、色を細かく指定し、そのデザイン画を元にアルゼンチン人ジュエラーのカルロス・アレマニーが、ニューヨークのアトリエでジュエリーを製作していました。

ダリのジュエリーは、かつて日本でダリの作品をコレクションしている方による「ダリ宝飾美術館」があったのですが、残念ながら閉館してしまいました。現在はダリの生まれ故郷スペイン・フィゲラスの宝石美術館で鑑賞することができます。彼のジュエリーは、絵画同様とても奇抜で大胆。「時間の目」と呼ばれる目の縁の部分に小粒のダイヤモンドを留め、目の部分が(トルコの邪視除けのような)時計の文字盤になっているペンダントや唇の部分にルビーをびっしりと埋め込み、歯の部分にパールが入った「ルビーの唇」という名前のブローチなど度肝を抜かれます。

2023年6月7日ニューヨークのクリスティーズで、彼のヒトデのブローチ「「エトワール ドゥ メール(フランス語でヒトデの意味)」 がオークションにかけられ、98万2800ドル(約1億3900万)で落札されました。

元の所有者は、かつて社交界のミューズで、ダリと親交も深かったレベッカ・ハークネス(1915-1982年)だったことからも注目を集めていました。彼女はすでに半世紀以上前に亡くなっていますが、その記憶を呼び起こしたのがアメリカの人気シンガーソングライター、テイラー・スウィフト。スウィフトは、2020年「ザ・ラスト・グレート・アメリカン・ダイナスティ」という楽曲の中で、レベッカを言及し、びたびレベッカが友人のセレブ達を招いて盛大なパーティを開いていた”ホリデー・ハウス”という邸宅について歌っています。なんとそのホリデーハウスを、2013年スウィフトが購入し、現在は彼女の自宅になっているそう!



話をジュエリーに戻しましょう。ブローチは、中央に大きなパール、ヒトデの足の部分にはダイヤモンドとルビーがびっしりと埋め込まれ、ヒトデの脚からエメラルドが生えた枝が伸びているのが何ともシュール。ダイヤモンド、サファイア、エメラルドで作られた、取り付け可能な2つの蝶もセットになっています。1949年ダリがレベッカ・ハークネスのためにデザインしたもので、制作はもちろんアレマニーです。この作品のデザイン画もオークションにかけられ、ブローチの落札者が5万2920ドルで落札しています。

レベッカはこのヒトデのブローチがとてもお気に入りだったようで肩につけたり、イブニングドレスのアクセントとして胸の高い位置に着けていました。

余談ですが、『ニューヨーク・タイムズ』のアーカイブ記事(1988年)によると、レベッカはダリをとても信頼していて、自分の遺骨を納める宝石のついた骨壺のデザインも依頼していたのだそう。その価格、なんと25万ドル(1982年当時、1ドル250円換算として6,250万円!)。ただし、骨壺は小さすぎて彼女の遺骨が全部収まらなかったということです。(その骨壺、ちょっと見てみたい気もしますが。)

画像出展元:christies.com

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このネックレス は「水」をテーマに、ヒトデ、クジラ、イルカ、タコがサンゴに戯れるモチーフを表源しています。¥39,600 オンラインショップはこちら。

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