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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

NO.249 2023〜2024、取り入れたいパワフルなパールジュエリーのコーディネート

Text=Ikuko Watanabe

パールの値段が上がっているのは、ジュエリーが好きな人ならご存知でしょう。海の環境汚染の問題、地球の温暖化などによって真珠養殖が困難になり、生産量が減少しています。今後手に入りにくくなると聞くと、欲しくなるのが人間の心理で、中国ではパールの人気が沸騰し、日本が本場のアコヤ真珠の大半が中国に輸出され、日本市場から消え、それに伴い値段も上がっているというわけです。日本人も中国人も丸い珠を好むので、「真円」といわれる珠は今後ますます希少になっていくでしょう。

一方、東洋人とは違い、欧米や中東の人たちは真円よりも10mm以上の大きいサイズや、バロックという変形のものを好む傾向にあります。ファッションでは大粒の淡水真珠が手頃な価格なので人気です。「パールはパール」と一括りにして、日本人のように鑑別書をほしがったり、真珠の種類にもこだわりません。

真珠のおさらい

パールについて、このサイトでは何回も書いてきましたが、本題に入る前にさらっとおさらい。一般的に着用するパールには主に海で採れる真珠が3種類と、湖で採れる1種類があります。海を故郷とするのは、1)冠婚葬祭など用いられる白やピンク系のアコヤ真珠、2)オーストラリアなどの海で採れる白やゴールデンカラーの10mm以上の大きな南洋真珠、3)ピーコックのような紫、黒、赤などのカラフルな色が特徴の黒蝶真珠。そして4)湖で育つ淡水真珠です。淡水真珠は1つの母貝からたくさん生まれ、色もいろいろあり、価格が他の3種類よりも手頃です。その他、多様な貝から採れる天然真珠がありますが、ここでは割愛します。

モードシーンで見る独創的なパール使い

真珠は1粒が小さくても3mm、大きいものでは15〜20mmとあるので、パールリングは邪魔と感じる人も多く、一番人気なのはネックレス。シャネル以外では出番が少なかったパールですが、このところ、世界で活躍するファッションデザイナーがその魅力に気付いたようです。2023年秋冬から2024年のファッションでは、1980年代ルックのリバイバルに伴いパールをコーディネートに使う傾向があります。1980年代のスタイルといえば、肩パット、大きくて派手なベルトやアクセサリーを使ったパワフルなコーディネートが特徴。それが再びブレイクしています。

シャネル、サンローラン、バレンシアガ、クロエ、ボッテガヴェネタ、アレキサンダー・ウォング、ルイ・ヴィトン、スキャパレリ、モスキーノ、バルマンなど、トップメゾンの多くがパールを取り入れています。その使い方は実にいろいろ。ドッグカラーのパールネックレス、パールのカフス、超ロングのシングルパールピアス、エリザベス1世の時代に流行ったボディスのような服にパールをビッシリ縫い付けたもの、巨大なバロックパールのブローチ、長さやサイズの違うネックレスを何重にも重ねるつける方法は、さらにボリュームアップしています。

読者の方もたんすの中で眠っているパールジュエリー を引き出して、あなたらしいコーディネートを考えてみてはどうでしょうか。

TOP画像出展 : us.balmain.com

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コスチュームジュエリーの女王、ミリアム・ハスケルのヴィンテージブローチ。ミリアムの真骨頂、パールが揺れるタッセル状のデザインがおしゃれです。
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