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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

NO.259 ウクライナのジュエリーの伝統や職人技をアピール。ニューヨーク・ジュエリー・ウィーク

Text=Brand Jewelry

毎年11月にニューヨークで1週間にわたり、多くのジュエリーブランドや業界関係者によるイベントやワークショップでにぎわいを見せるニューヨーク・ジュエリー・ウィーク。2023年は11月13日〜19日に開催されました。その中でとりわけ注目されたのは、マンハッタンのダウンタウンにあるムリヤギャラリーで行われていた「How Precious UA」という展示会。会期中、現代のウクライナのジュエリーデザイナーによって作られた6つのユニークなジュエリーの1点ものが展示されました。

主催はStrong&Preciousというアート財団。その創設者オルガ・オレクセンコ氏は、ウクライナ出身の宝石鑑定士、ジュエリーキュレーター、アートコレクター。かつてキーウにあるヴァン・クリーフ&アーペルのブティックディレクターやブランド・アンバサダーに就任するなど輝かしいキャリアを積んできました。

Strong&Preciousは2022年から始まったロシアのウクライナ侵攻に対し、「今のウクライナに貢献するために個人的に何ができるだろうか?」というシンプルな問いかけから、戦争の惨禍への対応として2022年4月に設立されました。主な使命は、ウクライナのジュエリースクールの独創性と伝統を世界に広めていくこと。何世紀にもわたって繁栄してきた歴史と職人技を紹介し、ウクライナのジュエリーの豪華な遺産を深く掘り下げていきたいと考えています。そして、現代のウクライナの宝飾業界に携わる人たちが、その才能や視点を表現するためのプラットフォームを提供することも視野に入れ、積極的に活動を行っています。

2022年からスイスで開催されたジェム ジュネーヴや、今回展示したジュエリーはすべてウクライナで現在起きている出来事に言及した強いメッセージ性のある作品になっています。

たとえば、2022年冬の停電、占領下のマリウポリ市の鉄鋼工場、小麦の穂、またはウクライナ人のすべての家庭で受け継がれている古代トリピリス文化など。

オレクセンコ氏は「祖国にとってこの困難な時期に、ジュエリーアートは不安な話題について語るための芸術的言語です。ウクライナ人の才能について世界中に認識を広める希望の匠の技なのです」と語っています。

11月17日には、ゲストに『JCKマガジン』の編集長やイギリスのジュエリー作家を迎えたイベントを開催。夜のカクテルバーティでは、ウクライナのジュエリーデザイナー2名も参加し、Strong&PreciousのプロジェクトのPRを行いました。

展示会場となったムリヤギャラリーは、ニューヨークに創設されたウクライナ支援のための初のアートギャラリー。今回の「How Precious UA」はもちろんのこと、才能あるウクライナのアーティストを世界に向けて発信することを目的としています。ミュージアムショップもあり、収益の一部はウクライナの慈善団体に寄付されています。

ガザをめぐるイスラエルとハマスの激しい戦闘で、ウクライナ情勢への関心は薄れつつある昨今、ジュエリー界のこうした取り組みが実を結んでほしいと切実に思います。

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TOP画像出展:strongandprecious.com

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オリジナルポーチ。春から初夏にかけて、花々が咲き誇る風景。そこに、ブルートパーズやガーネット、さらに緑色の宝石を羽に散りばめたバタフライ。どこかにジュエリーをアクセントにしているのがこのポーチのデザインの特徴。両面とも同じプリントです。内側は柔らかなポリエステル。コスメ、ハンカチ、アクセサリーなど身の回りのものがたっぷり入り、人に見せたくなるポーチです。日本製。
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