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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

No.96 カナダのジュエリーデザイナー、NFTアートをスタート

BJI ブログ No.96

デジタルアートといえば、PCの画像ソフト、Photoshop(フォトショップ)やIllustrator(イラストレータ)などを利用して制作するアート。最近ではさらに進化して、NFTアートと呼ばれるものが登場してきています。

NFTアートとは、暗号資産(仮想通貨)の技術を使って取引するデジタルアートのことで、2021年3月、海外のオークションサイトで1つのデジタルアートが「約75億円」で落札されたことがきっかけとなり、「NFTアート」という言葉が、注目されるようになってきました。

NFTとは、「Non-Fungible Token(非代替性トークン)」の略で、データ管理にブロックチェーンと呼ばれる改ざんすることができない技術を活用したもので、アーティストをはじめ多くの投資家が投機目的で取引をおこなっています。

誰でもNFTを表示することはできますが、正式な所有者であるというステータスを持っているのは購入者のみに限定されます。

こうした状況の中で、カナダ・トロントのジュエリーデザイナー兼アーティストのリーナ アルワリア(Reena Ahluwalia)が、ダイヤモンドをテーマにしたNFTアートを発表しました。彼女は、世界で最も受賞歴のあるダイヤモンドジュエリーデザイナーの1人。ギネスの世界記録となった15,858個のダイヤモンドを使った牡丹の花をモチーフにした腕時計、ウィリアム王子とケイトミドルトンのロイヤルウェディングへのオマージュとして85カラットのロイヤルアッシャーダイヤモンドを使ったティアラなど話題性のあるジュエリーを手掛けており、彼女がHRDデザインアワードを受賞したダイヤモンドネックレスは、ベルギーの記念切手「アントワープ2010」の絵柄にも採用されています。

彼女は絵を描くのも得意で、ダイヤモンドをモチーフにした絵画作品を多数発表していますが、今回はOpenSeaという名のNFTマーケットプレイスに初のダイヤモンドNFTアートを出品しました。作品は、限定版の10枚と特別版の1枚で、ダイヤモンド絵画を3Dのデジタルで製作、ゴージャスなダイヤモンドの世界が広がります。NFTアートが実現したのは、アムステルダムに本拠を置く投資銀行、ABNアムロ銀行のダイヤモンド顧客部門の前代表でダイヤモンド業界にも広い人脈を持つ エリック A. ジェンズ(Erik A.Jens)によるところが大きく、彼自身がリーナのアートとテクノロジーへの情熱と創造性に共感している1人です。

「私は、パワーを持つダイヤモンドと宝石について表現することを人生のライフワークとしてきました」とリーナは言います。「現在、NFTデジタルスペースは、私のダイヤモンドアートの背後にある芸術的に抽象化された世界観とビジョンを表現するための*3Dイマーシブメディアを提供してくれています。アートコレクターとダイヤモンド業界の投資家は、私の「Diamond-Verse」の一部を所有できるようになりました。アーティストとして、私はデジタル変化のこの極めて重要な瞬間に生きていることにとても興奮しています」

リーナのダイヤモンド絵画やその独特な世界観は、アートコレクターにとってはぜひとも入手したいもの。ダイヤモンド業界でも創造的な遺産になると、投資としても注目されています。

リーナのNFTを購入するには、イーサリアム(Ethereum)を備えた暗号ウォレットが必要。Coinbase、Kraken、Geminiなどの暗号通貨取引所でイーサリアムを銀行口座、またはクレジットカードで購入します。暗号通貨取引所からウォレットにイーサリアムを送信し、ウォレットをOpenSeaなどのNFTマーケットプレイスと同期します。そしてウォレットにイーサリアムが保存されているOpenSeaマーケットプレイスでReenaのNFTを購入します。

この流れだけ聞いただけではイメージしにくい方もいらっしゃると思いますが、日本でもNFTアートはすでに始まっています。その1例としては2021年夏、「鳴門ガレの森美術館」が「NFT鳴門美術館」と名称を改めました。今後は美術品及びアート作品の展示だけにとどまらず、アート作品に関するNFTの発行、審査、販売、流通を取り扱い、世界に発信していくということです。

さまざまなデジタル化によって変わりゆく現代、NFTが今後どのような発展を遂げていくのか、今までのアートの世界とは全く違う展開にただただ驚くばかりですね。

*3Dイマーシブメディア=ブラウザー上で3DCGプログラミングが行える「WebGL(ウェブジーエル)」を使った3D表現。360度回転させて作品をよりリアルに表現したり、GoogleMAPのようにサイトの中に入り込んだかのような表現が可能。3D世界の中にマウスや指の動きで入っていくような没入体験ができます。現在はまだ富裕層向けですが、NHKでは2030~40年頃には従来のテレビで親しんできた2次元映像コンテンツだけでなく、3次元映像やAR、VR などの多彩なコンテンツを多様なデバイスで楽しめるよう開発が進んでいます。

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